犬にも人間と同様ストレスを感じます。
ただし犬と人間の違いは、ストレスを感じていることを『言葉にできるか』という点です。
言葉が離せない犬たちは、『しぐさ(行動)』でストレスを表現します。
このストレスのサインは、『カーミングシグナル』とも言われ、犬たちがストレスを感じている自分や相手を落ち着かせようとするしぐさです。
この記事では、犬たちがよく見せるストレスのサインをご紹介します。
- 1 犬のストレスのサイン①: 目をそらす
- 2 犬のストレスのサイン②: あくびをする
- 3 犬のストレスのサイン③: 舌を出す
- 4 犬のストレスのサイン④: 半分目をつぶったようなしぐさ
- 5 犬のストレスのサイン⑤: 円を描きながら近づく
- 6 犬のストレスのサイン⑥: 頭を低くして腰を上げる
- 7 犬のストレスのサイン⑦: 背中を向ける
- 8 犬のストレスのサイン⑧: 動きが固まってしまう
- 9 犬のストレスのサイン⑨: おしっこをする
- 10 犬のストレスのサイン⑩: 後ろ足で体を掻く
- 11 犬のストレスのサイン⑪: ブルブルと体を振る
- 12 犬のストレスのサイン⑫: フセをする
- 13 犬のストレスのサイン⑬: オスワリをする
- 14 犬のストレスのサイン⑭: しっぽを振る
- 15 犬のストレスのサイン⑮: おなかを見せる
- 16 犬のストレスのサイン⑯: 間に割って入る
- 17 犬のストレスのサイン⑰: 地面のニオイをかぐ
- 18 犬のストレスのサイン⑱: ハァハァという息遣い
- 19 犬のストレスのサイン⑲: 白目が見える
- 20 犬のストレスのサイン⑳: しっぽを追いかけて噛んでいる
- 21 しぐさから分かる|犬のストレスのサイン20パターン
犬のストレスのサイン①: 目をそらす
初対面の犬や人間に出会ったときなどに、相手から目をそらすことがあります。
そんな時は、目を合わせないようにして、苦手な相手の存在に気が付かないようにふるまっている可能性があります。
また、飼い主さんから叱られたときも目を合わせないことがあります。
これも叱られたことに対する緊張感から目を合わせないと言われています。
犬のストレスのサイン②: あくびをする
あくびをすると、眠たいとか退屈しているとかさぼっているというイメージを持たれると思います。
ところが、犬の場合のあくびはストレスのサインである可能性が高いのです。
動物病院に連れて行ったとき、ブラッシングや爪切りなどのお手入れ中にあくびをすることがあります。
これは、緊張状態をほぐすためのしぐさであり、ストレスを感じているサインと言えます。
自分を落ち着かせたり、緊張でこわばった表情筋を緩めるために行う。
飼い主さんから叱られたり、注意をされた時もあくびをすることがあります。
これも緊張をほぐすためにあくびをしているのです。
ふてくされているような印象を持つかもしれませんが、叱られていることを理解して緊張しているサインなので、あくびをしていることをさらに叱ったりしないように注意してあげて下さいね。
犬のストレスのサイン③: 舌を出す
苦手な状況などにいる時に、一瞬舌を出すことがあります。
これもストレスのサインである可能性があります。
緊張状態から自分を落ち着かせようと舌を出しているのですが、すばやいしぐさなので気が付くには注意してみなければいけません。
犬のストレスのサイン④: 半分目をつぶったようなしぐさ
耳そうじや爪切りなど、嫌いなお手入れをされている時には、半分だけ目をつぶるようなしぐさをすることがあります。
これもストレスを感じた時のサインで、必死で何かを我慢している時に見られます。
苦手な相手に対して『あまりこっちを見ないで』と伝える時にも行います。
犬のストレスのサイン⑤: 円を描きながら近づく
初めての犬や人間に遭遇した時に、まるで円を描きながら遠巻きに近づくしぐさを見せることがあります。
これは、ゆっくりと弧を描くように相手に近づくことで、『攻撃するつもりはないから安心して』と伝えているサインです。
犬のストレスのサイン⑥: 頭を低くして腰を上げる
初め他の犬に会った時などに見せるしぐさです。
頭を低くして腰を上げるようなしぐさ(まるでメス猫のポーズ)をして、相手の犬を見つめている時は、相手の出方を伺っています。
相手の犬に対して、不安やストレスを感じているサインと考えられています。
犬のストレスのサイン⑦: 背中を向ける
苦手な犬や人間に出会った時にプイッとそっぽを向いて背中を見せるしぐさをすることがあります。
これは恐怖を感じている相手や、興奮気味な相手に対して、『自分は関係ありませんから』『落ち着いてください』と伝えるためのサインでストレスが現れています。
犬のストレスのサイン⑧: 動きが固まってしまう
こちらも初めての犬や人間に出くわしてストレスを感じた時のサインです。
突然ぴたっと動きが固まってしまったから、緊張している証拠です。
相手の犬や人間に対して、こちらから刺激を与えないためのしぐさだと考えられています。
犬のストレスのサイン⑨: おしっこをする
犬も人間と同様極度に緊張したりするとトイレが近くなります。
トイレが我慢できずにその場でおしっこをしてしまうことがあります。
動物病院などでもよく見られる光景です。
こうした場合は、愛犬が強いストレスを感じているサインであり、おしっこをもらしてしまったからといって叱ったりせずにストレスの原因に気づくように努めてあげて下さい。
犬のストレスのサイン⑩: 後ろ足で体を掻く
飼い主さんの言っていることや指示が分からない時など、困惑している時に後ろ足で体を掻くしぐさをすることがあります。
これは、『もういやだな』とか『もうやめたいな』という気持ちの表れでストレスのサインと言えます。
前足を舐めたりかじったりする場合もあります。
犬のストレスのサイン⑪: ブルブルと体を振る
長時間我慢をしていた後に見せるしぐさで、ストレスのサインの一種です。
キャリーバッグの中に長時間入れられていたり、お手入れで長い時間拘束されていた後などによく見られます。
緊張で硬直してしまった体をほぐすという意味もあるようです。
犬のストレスのサイン⑫: フセをする
複数の犬同士で遊んでいるときなど、上位の犬が下位の犬に緊張を解くために行うしぐさです。
さながら『怖がらなくていいからね、大丈夫だよ』と伝えているサインとでも言えそうです。
犬のストレスのサイン⑬: オスワリをする
苦手な犬のそばにいる時などに、オスワリをするしぐさをすることがあります。
これも相手にストレスを感じているサイン。
自分を冷静に保つため、また相手の犬に敵意がないことを表すためのしぐさだと考えられています。
犬のストレスのサイン⑭: しっぽを振る
飼い主さんが怒っている、不機嫌な時などに見られるしぐさで、不安やストレスの表れです。
決して喜んでいるわけではなく、自分を無邪気に見せることで相手(飼い主さん)を落ち着かせようとしています。
犬たちは人間以上にその場のオーラや波動を感じやすい動物です。
飼い主さんが楽しそうにしていれば、そのオーラが犬にも伝わり、犬も楽しい気分になります。
反対も然りということなので、なるべくニコニコ穏やかな家庭を築きたいものです。
犬のストレスのサイン⑮: おなかを見せる
怖いと感じた相手に見せるしぐさでストレスのサインです。
相手に対して『攻撃しないで』と服従するしぐさです。
犬のストレスのサイン⑯: 間に割って入る
飼い主さんがケンカをしている時など、強い不安から間に割って入るようなしぐさを見せることがあります。
犬なりに仲裁をしようという意図が現れているようです。
愛らしいしぐさですがストレスを感じているため、愛犬が仲裁に入ったらケンカはやめましょう。
犬のストレスのサイン⑰: 地面のニオイをかぐ
しつけやトレーニングなどに飽きた時などに見せるしぐさです。
ニオイをかいでいるだけだから自分には構わないでほしいと、相手にこれ以上自分に構ってほしくないという意思表示だと考えられています。
犬のストレスのサイン⑱: ハァハァという息遣い
極度の緊張状態にある時に見せるしぐさです。
激しい運動をしているわけでもないのに、『ハァハァ』という息遣いをしているのであれば、強いストレスを感じているサインです。
気持ちが落ち着けるような場所に一時退避させてあげるなど、愛犬のストレスが和らぐようにしてあげましょう。
犬のストレスのサイン⑲: 白目が見える
犬の目は表面上目に見える部分はほぼ黒目となります。
しかし、強いストレスを感じた時には顔の筋肉が緊張で動かせなくなることがあります。
その場合は目だけが動くので、白目が見えているとストレスを感じているサインとなります。
犬のストレスのサイン⑳: しっぽを追いかけて噛んでいる
愛犬が自分のしっぽをクルクル回って噛んでいるしぐさを見たことがあると思います。
一見すると、自分のしっぽを追いかけて遊んでいるようにも見え、なんとも可愛らしいしぐさに見えるのですが、ストレスを感じているサインである可能性があります。
日常的にしっぽを噛んで毛が抜けている、足先舐めたり噛んだりして皮膚が赤くなっていたりする場合は要注意。
日々の生活の中で強いストレスを感じている可能性があります。
皮膚病にも発展する可能性もあり、ストレスの原因を取り除いてあげましょう。
しぐさから分かる|犬のストレスのサイン20パターン
いかがでしたでしょうか。
犬は人間のように話をすることはできませんが、そのしぐさや表情から何を考えたり感じているか想像することは難しいことではありません。
ウソがつけない犬たちのココロからあふれるサインに気が付いてあげることができれば、愛犬との生活がますます豊かなものになるでしょう。
過度なストレスは愛犬の健康状態にも影響を与えます。
適度なストレスは必要ですが、愛犬も飼い主さんも心身ともに健康な毎日が送れるよう、この記事が少しでも参考になればうれしいです。
犬もストレスや不安を感じると、人間でいうところの強迫性障害のような症状を引き起こすことがあります。
これを常同障害といい、適切な治療が必要です。
常同障害に関連する情報はこちらの記事で詳しくご紹介しています。
■ 犬の常同障害(強迫性障害)の症状・治療法・予防法と治療費用
犬の常同障害という病名を聞いたことはありますか。 犬も私たち人間と同様、ストレスや不安を感じます。 いつも自分のしっぽを追いかけている、自分の体を舐め続けるなどの症状が見られます。 愛犬が常同障害かも、と思ったときに私たち[…]