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犬・猫のマイクロチップ装着の義務化、動物愛護法改正2019年、2022年、

犬・猫のマイクロチップ義務化メリットとデメリット|動物愛護法改正で何が変わるか

2019年の動物愛護法改正により、第一種動物取扱業者が取り扱う犬・猫に対するマイクロチップ装着が義務化されます。

これまでは推奨にとどまっていたマイクロチップ装着の義務化により、ブリーダーやペットショップ経由で販売された犬・猫の年齢や所在の情報が管理されることになります。

これは具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

この記事では動物愛護法改正で注目されているポイントの一つである『マイクロチップ(MC)』に焦点を当てます。

マイクロチップ装着のメリットとデメリットや、動物の保護管理のために検討すべき点についてまとめています。

 

動物愛護法の改正内容と実施スケジュール

動物愛護法、動物愛護及び管理に関する法律、概要

 

動物愛護法(正式名称:動物の愛護及び管理に関する法律)は1973年に制定された法律で、これまで4回の改正が行われ現在に至ります。

直近の改正は2019年6月に行われ、改正内容の運用開始は2022年6月までに行われることになります。

こちらが2019年の改正内容と実施時期のスケジュールです。

 

2020年、2021年、2022年動物愛護法施行時期

 

この記事で触れるマイクロチップ(MC)装着の義務化は2022年の6月を目途に実施されることになっています。

今回の動物愛護法改正の最後の実施項目として注目されています。

動物愛護法の改正内容全般のポイントはこちらの記事でご紹介しています。

 

■ 動物愛護法の改正|3つのポイントを超分かりやすく図解で説明します【 2020年版 】

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動物愛護法改正(動物の愛護及び管理に関する法律)2020改正内容、数値規制、8週齢規制

 

マイクロチップ(MC)とは

環境省ホームページに記載されている内容を引用して、マイクロチップについてご紹介します。

 

【 マイクロチップとは 】

マイクロチップは、直径2㎜、長さ約8~12㎜の円筒形の電子標識器具で、内部はIC、コンデンサ、電極コイルからなり、外側は生体適合ガラスで覆われています。

それぞれのチップには、世界で唯一の15桁の数字(番号)が記録されており、この番号を専用のリーダー(読取器)で読み取ることができます。

動物の安全で確実な個体識別(身元証明)の方法として、ヨーロッパやアメリカをはじめ、世界中で広く使われています。

わが国でも、近年犬やねこなどのペットを中心として利用者が急増しています。

マイクロチップの実物(環境省ホームページより)

引用:環境省ホームページ

 

またマイクロチップにはこのような特徴があります。

 

【 マイクロチップの特徴 】

一度体内に埋込むと、脱落したり、消失することはほとんどなく、データが書きかえられることもないため確実な証明になります。

リーダーから発信される電波を利用して、データ電波を発信するため、電池が不要で、半永久的に使用できます。

過度な痛みや負担を与えないので、ほ乳類、鳥類、は虫類(カメ・へびなど)、両生類(カエルなど)、魚類など、ほとんどの動物に使用できます。

これまで、故障や外部からの衝撃による破損の報告はありません。

引用:環境省ホームページ

 

マイクロチップ装着のメリットは【 トレーサビリティ 】

犬は生後2週齢、猫は生後4週齢からマイクロチップの装着が可能だと言われています。

装着の可否は、実際には個体差を見ながら判断されるようです。

マイクロチップ装着のリスクはワクチン接種よりも低いと言われています。

マイクロチップの装着の最大のメリットは、迷子になった動物が保護された時に、マイクロチップの識別番号をデータベースに照会することで飼い主の連絡先が分かるということです。

このペットの情報を追跡できることは【 トレーサビリティ(追跡可能性) 】と呼ばれます。

マイクロチップはGPSに該当する機能を搭載しているわけではありませんので、迷子になってもなくしたiPhoneのように居場所を特定することはできません。

GPSのように電波を発し続けるものではないため、電池が不要かつ小型で耐久年数も30年程度と長いことが特徴です。

 

第一種動物取扱業者はマイクロチップの装着が義務化

マイクロチップ装着は『第一種動物取扱業者』に対しては『義務化』されます。

第一種動物取扱業者とは、ペットショップやブリーダーなどの繁殖業者、ペットホテルや美容室、動物展示業者などを指します。

この記事では『ブリーダー』に対してマイクロチップ登録が義務化されると考えて下さい。

逆に動物保護団体や個人間の譲渡に対しては極力装着を推奨するという『努力義務』となっており、必ずしも装着することが必須というわけではありません。

ブリーダーなどの犬・猫の繁殖業者は、繁殖した犬・猫に対して販売などで他者に譲渡するまでにマイクロチップの装着及び情報の登録をする義務があります。

また他者に譲渡せずに繁殖用として自らのところに残す場合は、生後90日を過ぎたら30日以内にマイクロチップを装着し、装着から30日以内に登録するという流れが想定されます。

 

ブリーダーやペットショップから購入する場合のマイクロチップ登録

わたしたち個人がブリーダーやペットショップなどのマイクロチップ装着が義務付けられた『第一種動物取扱業者』から犬・猫を購入した場合、装着されたマイクロチップの登録内容を変更することが義務付けられています。

具体的にはこのような流れになります。

 

マイクロチップ装着義務化、動物愛護法改正、第一種動物取扱業者

 

【 マイクロチップ登録手続きの流れ 】

① ブリーダーは繁殖した犬猫に対し、動物病院へマイクロチップの装着を依頼する
② 動物病院はマイクロチップを装着させて、マイクロチップ装着証明書を交付する
③ ブリーダーは指定登録機関にマイクロチップ登録申請を行う
④ 指定登録機関はブリーダーに対し登録証明書を交付する
⑤ ブリーダーから犬猫を購入したペットショップは指定登録機関に所有者変更申請を行う
⑥ 指定登録機関はペットショップに対して変更内容を反映した登録証明書を交付する
⑦ ペットショップから犬猫を購入した飼い主は指定登録機関に所有者変更申請を行う
⑧ 指定登録機関は飼い主に対して変更内容を反映した登録証明書を交付する

 

なお、犬の場合のみマイクロチップを狂犬病予防接種の鑑札とみなすことになっています。

また、個人が動物保護団体や別の個人オーナーから犬・猫を譲り受けた場合には、マイクロチップの装着は努力義務となります。

基本的な流れは上の図と変わりません。

 

マイクロチップ(MC)動物愛護法改正、数値規制

 

個人がマイクロチップ装着するまでの手続き(詳細)と注意点

個人的にマイクロチップを登録するためにはどのような手続きが必要なのでしょうか。

具体的にはこのような順序でマイクロチップの登録を行うことになります。

 

マイクロチップ登録の流れ、犬・猫、動物愛護法改正

 

【 個人がマイクロチップ装着を行う場合 】

① 動物病院へマイクロチップ装着の予約をする
② 動物病院にて専用の注射器を用いて、首の皮膚したにマイクロチップを装着を行う(費用は5,000円程度)
③ 動物病院にて渡されたIDデータ登録申請書を記入する
  郵便局で登録手数料(1,000円)を支払い、日本獣医師会宛てに申請書を送付する
④ 登録完了のハガキが届くことで手続きが完了する

 

重要なポイントはマイクロチップの装着を行うだけでは、犬・猫の年齢や所有者、居住地に関する情報が特定できないということです。
あくまでマイクロチップ装着の後に、登録機関への登録手続きが完了して初めてマイクロチップ装着の意味があるということです。
マイクロチップの装着だけだと意味がないので、登録機関への登録手続きをしっかりと行う必要があります。

 

マイクロチップに登録される情報

一般的にはマイクロチップ装着後の登録情報としては、以下の書式の内容について提出が必要になります。

 

マイクロチップ登録、犬・猫、ID登録申請書、動物愛護法

引用:日本獣医師会ホームページ

 

以下の内容について申請と登録が行われることになります。

 

・ 犬・猫の氏名・年齢・性別・品種
・ 所有者(飼い主)の住所および連絡先
・ マイクロチップを装着した動物病院の情報
・ マイクロチップを埋め込まれた日付
・ マイクロチップのシリアル番号

 

犬・猫の年齢と住所が分かるくらいで、行方不明で保護された時には所有者の発見に貢献することができるでしょう。
現状よりもう少し踏み込んで、今回の動物愛護法の改正に伴う数値規制8週齢規制などの実行力を高めるための工夫がなされてほしいものです。

 

マイクロチップの装着でトレーサビリティはどこまで確保できるのか

現状マイクロチップのトレーサビリティは犬・猫の名前と生年月日、所有者(飼い主)の情報が分かる程度です。

現状の登録情報だけでは、迷子犬・猫として発見された時に飼い主に連絡が取れる以外のメリットがありません。

今回の動物愛護法改正で取り決められた事項の実効性を高める取り決めになってほしいものです。

今回の動物愛護法改正の一番の目的はこのように言われています。

 

【 動物愛護法改正の目的 】

悪質ブリーダーの撲滅

 

つまり母親の体がボロボロになるまで無理な繁殖を繰り返すパピーミル(子犬繁殖工場)と呼ばれる、悪質なブリーダー及び彼らと組んでビジネスを行っている悪質なペット販売業者を撲滅することが目的です。

そのために悪質な業者を取り締まるために強制立ち入り検査ができるようになったり、悪質業者を具体的に取り締まるための【 数値規制 】と呼ばれるルールや【 8週齢規制 】といった規制が盛り込まれています。

マイクロチップがこれらのルールの実行力を高めるためにさらなるトレーサビリティを備えることができれば、数値規制や8週齢規制などのルールが形骸化されずに実行力を持って運用される可能性が高まります。

マイクロチップがこうしたトレーサビリティを備えるものとして、2022年以降の運用に乗せることができれば、他の改正された動物愛護法の規制の実行力を底上げできる可能性があります。

環境省が開示している資料を基に作成しているこちらの図をご覧下さい。

 

マイクロチップ装着義務化、動物愛護法改正、第一種動物取扱業者

 

左下の赤枠に、マイクロチップで登録すべき情報が記載されています。

一番気になるのは『その他環境省令で定める事項』ですが、この内容についてトレーサビリティに関する情報をどれだけ埋め込むことができるかがポイントであると考えています。

 

数値規制と8週齢規制のポイント

数値規制は今回の動物愛護法改正で最も注目されている変更内容です。

犬・猫の飼育スペースや繁殖回数や年齢、飼育員一人当たり管理できる頭数など様々な規定が『具体的数値』を伴って決められています。

犬の場合は6歳までに最大6回の出産、猫の場合は6歳まで出産が可能(回数の制限はなし)となっています。

 

■ 日本一分かりやすい【 数値規制 】|ペット先進国と比較しながら徹底解説します

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数値規制動物愛護法

 

また8週齢規制とは、生後8週齢(56日)未満の犬・猫の販売を禁止するというものです。

犬・猫の社会性を促進することと健康面に配慮して制定されたルールとなっています。

 

■ 8週齢規制(動物愛護法)とは|目的や問題点をズバッと解説します

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本来はマイクロチップはこのような他の規制の実行力を高めるための補助材料として機能できるように設計されることが望ましいと考えます。

 

数値規制や8週齢規制と組み合わせたマイクロチップのトレーサビリティとは

これまでお伝えしてきたように、数値規制や8週齢規制の実行力を高めるために必要となるマイクロチップのトレーサビリティとはどのようなものでしょうか。

当サイトの意見はこのようなものです(当サイト独自の見解であることを始めに断っておきます)

 

マイクロチップ、トレーサビリティ、犬・猫、動物愛護法改正、

 

トレーサビリティとは、犬・猫の個体の性別や年齢に関する情報から、所有者情報の移り変わり、また出産回数などに関する情報を含んでいます。

生年月日が分かれば8週齢規制の遵守や数値規制の出産年齢の把握に役立ちます

出産回数も数値規制の出産年齢の把握に役立ちます。

子犬のマイクロチップに親の属性に関する情報を持たせることで、数値規制の出産回数や年齢に関する取り締まりに効果を発揮できるかもしれません。

 

【 母犬A 】

・ 名前・品種
・ 生年月日
・ 所有者情報(ブリーダー情報)
・ マイクロチップ装着日
・ 出産回数(←トレーサビリティ)

 

【 子犬 B 】

 名前・品種
・ 生年月日
・ 所有者情報(ブリーダー情報)
・ マイクロチップ装着日
・ 母犬Aの情報(←トレーサビリティ)
・ ペットショップの情報(←トレーサビリティ)
・ 飼い主X(一番初めの飼い主)の情報(←トレーサビリティ)
・ 飼い主Y(現在の飼い主)の情報

 

【 子犬 C 】

 名前・品種
・ 生年月日
・ 所有者情報(ブリーダー情報)
・ マイクロチップ装着日
・ 母犬Aの情報(←トレーサビリティ)
・ ペットショップの情報(←トレーサビリティ)
・ 飼い主Z(現在の飼い主)の情報

 

これまでの所有者の履歴、出産回数や母犬の情報を追跡することができれば、8週齢規制や数値規制の出産年齢や回数の制限オーバーをしている個体(ブリーダー)の特定に役立つ可能性があります。

 

マイクロチップのトレーサビリティの実現方法とは

このように、マイクロチップに従来以上の情報を紐づけることができれば、動物愛護法の改正内容の実効性を上げることに貢献できるかもしれません。

しかしトレーサビリティの実現には国としても追加予算も必要になり、ハードルは高いようです。

マイクロチップそのものに搭載できる情報には限度があることが予想されるため、実際はマイクロチップの情報を管理しているITシステム(つまりデータベース)にトレーサビリティ情報を追加するのが現実的ではないでしょうか。

そのためには、マイクロチップの管理データベースの内容の追加・変更の申請がブリーダーや個人がインターネットで直接申請できる仕組みが必要です。

また、そうしたトレーサビリティを実装できるシステムができたとしても、そのデータを有効活用するためのルールが必要です。

ペットショップなどの第一種動物取扱業者は、ブリーダーから子犬や子猫を仕入れる時はマイクロチップのデータに基づく母犬の年齢や出産回数が数値規制の上限を超えていないことを確認しないと仕入れができないといったルールを徹底すべきです。

データベースのシステム管理者は、定期的に出産回数が6回を超えた子がいないこと(犬の場合)、7歳以上で出産させられている子がいないこと(犬・猫の場合)を抽出して、警告・立入検査などの具体的な取り締まりをすべきです。

ITシステム的にはそんなに構築の難易度が高いとは思えません。

マイクロチップの登録情報を元に、実効性がある検査ができるようになることを期待します。

不適切な飼養(犬・猫一頭でも)の疑いがあれば、立入検査が可能になりました(動物愛護法第25条)

以前は立入検査は任意でしたが、より強制力が高くなり、改正後の実際にしっかりと運用されることを望みます。

SNSの発達により、今まで明るみに出なかった悪徳業者もあぶりだされやすくなるでしょう。

あやしい業者にはしっかりとメスが入るような仕組みになればよいですね。

動物虐待と認定された場合の罰則も厳罰化されています(動物愛護法第44条)

実質的には罰則規定や動物取扱業者の資格のはく奪要件と再登録の要件をより厳罰化して、予防効果を高めることが必要だと考えます。

 

マイクロチップ装着で解決できないこと(デメリット)

8週齢規制のごまかし

犬・猫の繁殖業者(ブリーダー)はペットショップや個人に譲渡するまでにマイクロチップの装着及び情報登録が義務化されています。

2021年から運用が開始される8週齢規制(生後56日未満の犬・猫の販売禁止)に効果を発揮できるとの意見もありますが、悪徳業者は平気で生年月日をごまかすでしょう。

帝王切開による出産の場合は獣医による出産証明書が必要となるため、生年月日をごまかしにくくなると思いますが、普通分娩の子たちはこの限りではありません。

 

数値規制による出産回数

犬の場合は6歳までに最大6回の出産回数が制限値として設けられています。

先ほどの当サイトの見解のように、ペットショップなどで販売される市場流通される子犬には、母犬の情報を持たせておくことで、6回の回数を超える繁殖を行っている業者を特定できるとより効果的でしょう。

しかし悪徳業者がまともな情報の登録を行うことは考えにくいため、抑止効果につながると断言することはできないと言わざるを得ません。

 

虐待や遺棄

今回の動物愛護法改正では、虐待の概念が定義されるとともに罰則規定がより厳格化されました。

マイクロチップが埋め込まれた犬・猫を遺棄するとマイクロチップから所有者が特定されるため、虐待や遺棄が減るとの見方もあります。

しかし悪質な業者は遺棄する前にマイクロチップを取り除くなど、残忍極まりない行為を行う可能性は否定できません。

そのため、マイクロチップ装着の義務化がどこまで虐待や遺棄の件数の減少につながるかということは、運用開始後の統計結果が得られるまでは判断できないということになります。

 

読み取りの問題による100%のトレーサビリティが確保できない

犬・猫が自治体などに保護された場合には、マイクロチップリーダーによる情報確認が行われます。

このリーダーの精度に問題があると、正しく情報を読み取ることができません。

犬・猫に埋め込まれたマイクロチップが元々埋め込まれた首の皮下から移動してしまう可能性も全くないとは言い切れず、この場合は全身をスキャンするゲート型のリーダーが必要になります。

しかしゲート型リーダーは高額であり、犬・猫の保護施設で保有していないところが多いため、現時点ではマイクロチップの読み取りに関する懸念点が拭えていません。

 

マイクロチップ装着の有無が殺処分の線引きになる可能性がある

マイクロチップの装着が義務化されることにより、装着されている個体は保護すべき対象でありそうでない個体は殺処分しても仕方がないという見識が広がる可能性があります。

マイクロチップ装着の義務化は第一種動物取扱業者(ブリーダーやペットショップ)のみです。

動物保護団体や個人間の譲渡では努力義務レベルであるため、マイクロチップを装着しない犬・猫は引き続き存在します。

マイクロチップ装着の義務化が、守るべき命の線引きに利用されることが現時点からも懸念されています。

 

マイクロチップ装着による健康被害

環境省の説明によりますと、犬・猫のマイクロチップによる副作用の報告はほとんどないということです。

しかし海外の事例では健康に関する被害の報告があります。

JAVA(NPO法人 動物実験の廃止を求める会)によると、マイクロチップ装着によるこのような健康被害の報告があるようです。

 

・米国獣医師会:「動物がマイクロチップのために癌を発症するリスクは非常に低い」=発症するケースはある
・環境省:「埋め込みによる副作用はほとんど報告されていない」=副作用の報告がある
・英国小動物獣医師会:インプラント反応として、「血腫(皮下出血)や感染(装着部位付近の腫瘍もしくは感染が全身に広がり、病気になる)」「異物が挿入されたことによる炎症反応」

引用:JAVAホームページ

 

このように、マイクロチップの装着は100パーセント安心だとは言えないようです。

医療行為なので当然と言えば当然のことですが。

 

犬・猫のマイクロチップ義務化でどこまで解決できる?|動物愛護法改正で何が変わるか まとめ

いかがでしたでしょうか。

2019年の動物愛護法改正の内容で最後に運用が開始する規定、それがマイクロチップ装着の義務化です。

マイクロチップの装着には、迷子になった犬・猫が飼い主のところに戻れる可能性を高めるために実施されます。

しかしながら、動物愛護法改正で実施される他の運用項目の効果を高めることも期待されていることは事実です。

予算や影響範囲も大きいため、運用開始には相当の時間や議論が必要とされることは間違いないでしょう。

今後も当サイトではマイクロチップ総チャックの義務化に伴う最新の情報をアップデートしていく予定です。

今回のまとめは以下になります。

 

・ マイクロチップ装着の義務化は2022年6月から運用開始予定です
・ ブリーダーやペットショップなどの業者に対しては『義務』それ以外は『努力義務』
・ マイクロチップはGPS機能を搭載していません
・ マイクロチップで犬・猫の安全に関する問題が全て解決するわけではありません

 

(参考文献)

・ マイクロチップの現状と課題(環境省)

・ マイクロチップマニュアル(日本獣医師会)

・ マイクロチップ義務付け問題Q&A(JAVA)

犬・猫のマイクロチップ装着の義務化、動物愛護法改正2019年、2022年、
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