犬の胆泥症（たんでいしょう）についてご紹介します。

胆泥症は治療が必要ない、他の病気との併発の可能性もある、など一見するとよくわからない病気です。

また胆泥症は食事療法が効果的だという話もあります。

この記事では胆泥症の症状、手作りご飯やフードなどについてご紹介します。

犬の胆泥症（たんでいしょう）とは

脂肪の消化に重要な役割を果たす胆汁（たんじゅう）は脂肪の消化に重要な役割を果たします。

胆汁は肝臓で生成され、胆嚢（たんのう）に一時貯蔵されます。

食べ物を食べると胆嚢が収縮し、収縮することで胆汁が総胆管を経由して十二指腸に発出されます。

胆泥症とは、何らかの原因で胆汁が濃縮して変質し、泥のような状態（胆泥）が胆嚢に貯留された状態です。

胆汁の成分は変質して結石になったものを胆石（たんせき）と言います。

胆石症は、胆のうと肝臓や胆のうと小腸をつなぐ管（胆管）の中に結石ができることで、人間ではコレステロールによる結石が多いとされています。

コレステロール結石は高脂肪の食事などが原因となることが多いようですが、ヒトではコレステロール結石が大部分を占めるとされています。

このコレステステロール結石、高脂肪の食事を続けることが原因と言われていますが、犬の場合の胆石症の発生は稀だといわれており、胆泥症の方が多く見られます。

犬の胆泥症の原因と症状

犬の胆泥症は胆嚢炎や内分泌疾患（甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症（クッシング症候群））に伴って見られることが多いようです。

これらの病気が起こることで胆汁の性質が変化するために、胆泥ができやすくなると言われています。

胆泥症は症状として表れにくく、健康な犬でも健康診断や超音波検査をした際に発見されるケースが多いようです。

また、胆泥症が他の胆嚢系の疾患を引き起こす可能性については、現在のところ関連性は認められていないようです。

そのため胆泥症であると診断されても、基本的には何も治療せずに経過観察を勧められることことも多いと聞きます。

ただし、胆泥症の裏側には別の疾患が隠れている可能性があります。

甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症（クッシング症候群）といった疾患がこれに該当します。

こうした病気が基礎疾患として発見された場合は、これらの病気の治療を行うことになります。

血液検査で高脂血症と診断された場合は、高脂血症に対する食事療法を勧められることもあります。

犬の胆泥症にまつわる治療

胆泥がただ単に胆嚢に貯留しているだけでは治療の対象とは判断されません。

胆泥症は超音波検査でその状態を確認することができますが、胆泥が凝固まではしておらず、比較的流動的な状態で胆嚢に貯留（可動性の胆泥）している場合は治療の必要性は低いようです。

しかしながら、胆泥が固まっている（非可動性）の場合は、将来的に胆嚢粘液脳腫に進行する可能性があるため治療が必要になります。

りょう動物病院様のWebサイトから超音波検査で胆泥症と診断された画像を引用させて頂きました。

GBが胆嚢でLIVERが肝臓です。

胆嚢は黒く抜けて見えるはずですが、白くなっている部分が見られます。 これが胆泥です。

引用：　りょう動物病院

疾患の根本原因が胆嚢炎の場合は、抗生物質や消炎剤による治療、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症（クッシング症候群）などの内分泌異常が原因の場合は、ホルモン剤による治療が必要となります。

犬の胆泥症や胆嚢炎の食事療法（手作りごはん）

ご近所犬猫サミット様のWebサイトより、胆泥症や胆嚢炎に有効な手作りごはんのレシピを引用させて頂き、ご紹介します。

1.　緑黄色野菜、きのこ類は小さく刻んで柔らかくなるまで茹でる。

2.　鶏肉は皮をむき、一口大に切り分けて茹で、脂を抜く。

3.　1が冷めたら2を和え、亜麻仁油を加えて混ぜる。

この手順で完成です。

胆泥症や胆嚢炎は高脂質が原因となっているとも言われており、できるだけ低脂質の食事に切り替えたほうがよいとされています。

犬の胆泥症に有効なフード

胆泥症は一般的に低脂質の食事に切り替えることがよいと言われていますが、市販のフードは脂肪分や糖分もそれなりに含まれています。

手作りごはんを用意してあげるとよいですが、毎日手作りの食事を用意することが難しい飼い主さんも多いでしょう。

そんな時には、このような低脂質のフードを与えてみてはいかがでしょうか。

犬心（いぬこころ）－糖＆脂コントロール－

「犬心」－糖＆脂コントロール－は、胆泥症・胆嚢粘液脳腫、副腎皮質機能亢進症（クッシング症候群）、すい炎、甲状腺機能低下症、高脂血症、メタボ肥満、糖尿病、に有効とされる特別療法食です。

食いつきNGならキャンセル可ということで、まずはサンプルのお試しもできます。

興味のある方は上記のURLから商品購入ページにアクセスできるので、検討してみて下さい。

i/dローファット

市販されており、楽天などのネットでも購入しやすい商品をもう一つご紹介します。

それがヒルズ（Hills）の『i/dローファット』です。

ヒルズは品質も高く、業界での販売歴も長いため信頼と実績のあるドッグフードメーカーだと思います。

かなり低脂肪に抑えられている療法食です。

犬の胆泥症の治療費について

胆泥症は疾患を診断されただけでは検査費用だけでまずは終わることもあります。

最終的には外科手術（胆嚢摘出など）に至るケースもありますが、治療費としてはこのようなものです。

胆嚢の疾患である副腎皮質機能亢進症（クッシング症候群）等であれば、投薬だと月数万円、放射線治療だと数十万円に上る治療費が掛かることもあります。

副腎皮質機能亢進症（クッシング症候群）は、すい炎や心臓病などを併発することも多く、その場合は上記に加えてより高額な治療費が必要になります。

犬の胆泥症　好発犬種について

胆泥症にかかりやすい犬種はこのような犬種だと言われています。

犬の胆泥症の予防方法

胆泥症の根本原因は不明とされていますが、高脂質の食事は避けることが大切だと言われています。

低脂質でかつ栄養のバランスがとれた食事を、愛犬の体のサイズに適した分量を与えることが大切です。

また、散歩など適度な運動も行いましょう。

胆泥症は無症状であることが多いため、早期発見するためには定期的に健康診断を受けることです。

また、胆嚢炎や甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症（クッシング症候群）など、胆泥症とかかわりのある基礎疾患の早期発見と治療が重要だと言えます。

犬の胆泥症とは｜治療の必要性や関連する病気についても解説します まとめ

今回は犬の胆泥症についてご紹介しました。

原因不明で初期症状もなく、経過観察と判断されることも多い胆泥症ですが、胆嚢系の別の疾患との関りもあるため、看過できません。

やはり日常の健康的な生活が病気の予防には一番効果的ですね。

今回の記事のまとめはこちらです。

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