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心臓弁膜症、治療、予防方法、費用、症状原因、外科手術、投薬治療

犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)|現在は手術で完治を目指せます

犬の心臓病の中でも心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)は最も多い病気と言われています。

この心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)の治療の方法は投薬治療や外科手術によるものがあります。

当サイト(ワンだふるライフ)では、外科手術の選択肢を中心にご紹介をしたいと思います。

愛犬が苦しむ姿を見続けないためにも、外科手術の可能性を知っておくことは大変重要だと考えます。

この記事は主にJASMINE(動物総合医療センター/動物循環器病センター)の上地 正実院長の著書『愛犬が「僧帽弁閉鎖不全症」と診断されたら読む本』のWebサイト公開版の内容を引用・編集させて頂く形でご紹介します。

 

目次

はじめに:心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)は完治する可能性が高い病気です

 

以前は投薬治療しか選択肢がなかった

まずこの記事で一番お伝えしたいこと、JASMINE(動物総合医療センター/動物循環器病センター)の記事を元に内容を構成したかというと、心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)は完治する可能性が高い病気であることをお伝えしたかったからです。

昔は獣医師でさえ、心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)は投薬治療で進行を少しでも遅らせるしか手段がないと考えていた時代があったようです。

現在では動物治療に対する技術も随分と向上し、人間と同様外科手術によって完治できる可能性が飛躍的に上がりました。

 

なぜ犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)は手術が難しいのか

こちらの内容で詳しく記載がありますが、犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)の手術は様々な方法が試され、変遷して今に至ります。

人間でも犬でも心臓の作りは同じ、そして人間では手術による治療が一般的です。

なぜ、犬の場合は外科手術が難しいのでしょうか。

現在の犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)手術は人工心肺を使い、形成術で行う『僧帽弁閉鎖不全症』の手術症例が多くなってきました。

しかし小さな心臓を止め、機械の力を借りて循環をサポートする技術はとてもレベルの高いものです。

つまり人間と比べて犬の心臓は小さいため、このサイズの違いが手術が困難であった原因の一つだと言われています。

弁の大きさも小型犬であれば、人の指の腹程度です。

その弁を修復して何本も糸を通すわけですから、5㎏以上の体重がなければ手術は困難であるというのが世界的に一致した見解だったようです。

また犬という動物は動物の中で最も体の大きさが異なる種類が存在しています。

そのため、心臓の大きさもバラバラです。

人間用の人工弁も流用できず、またバラエティに富む犬の心臓のサイズごとに人工弁を生産するのはコスト上難しかったことも原因と言われています。

さらには、心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)を発症するのはチワワなどの小型種が多いことも、手術の難易度が上がる理由であったと上地院長の著書では語られています。

 

犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)とは

愛犬が心臓病だと診断されたときのショックは計り知れないものです。

犬の死因の上位にも上がってくる心臓病ですが、特に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)が多いと言われています。

犬の心臓は人間の心臓と同様で、右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋で構成されています。

心臓の右側部分(右心房と右心室)は全身から流れてきた汚れた血液を肺に送る動きをしています。

反対に心臓の左側部分(左心房と左心室)はきれいな血液を肺から受け取って全身に送ることをしています。

心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)は左心房から左心室に血液が流れる時に通過する弁に異常の起こる病気です。

弁は2枚で構成された扉のような形状をしているのですが、その形がカトリックの司教がかぶる冠『僧帽』に似ていることから、その名がつきました。

玄関扉が家の内側から外に向けてしか開かないように、僧帽弁も左心房から左心室に向かってしか開かないようになっています。

図解するとこのようになります。

 

引用及び一部編集: アニコム損害保険Webサイト

 

上記の図のように、左心房から左心室に流れた血液が僧帽弁が閉じないために逆流してしまうという病気が、心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)と呼ばれるものです。

血液が逆流するということは、きれいな血液を全身に送り出す量が減るということを意味します。

血液は心臓がドクンと収縮することで循環するのですが、一回の収縮で必要な血液量が送られない場合は、ドクンドクンという収縮の回数を増やすことでそれを補おうとします。

この収縮回数を増やすことで必要な血液量が体内に送られている状態では、症状のようなものは見られません。

しかし定期検診を受けると『僧帽弁閉鎖不全症』が発見されるケースがたくさんあります。

外見上の変化はなくても聴診器では心雑音が聞こえるからです。

また心拍数の数値も上昇しているはずです。

 

症状が進行すると肺水腫から心不全へ

 

こうして心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)が進行していくとどのようになるのでしょうか。

必要な血液量を送り出すためにこれまでよりも動いた心臓は疲労します。

こうして心臓の力が弱まり、血液が心臓から流れにくくなると、血液が心臓に溜まり始めます。

心臓に溜まった血液は肺に流れ始めます。

最初の内は肺の毛細血管に血液が溜まりますが、徐々に毛細血管から血液中の水分が溢れ出て肺の中に溜まり始めます。

この状況が進行すると『肺水腫』という症状になります。

肺の中の組織が水浸しになり、呼吸がうまくできなくなります。

このように心臓が必要な血液量を送り出せなくなった状態を『心不全』と呼びます。

心不全になると、このような症状が起き始めます。

 

弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)の症状

 

初期症状は『散歩の途中で座り込む』『寝ている時間が長くなる』といった程度で、飼い主も気づきにくいでしょう。

中度になると『散歩に行きたがらない』『食欲が落ちる』『運動後や興奮すると咳をする』などがみられるようになります。

さらに進行して重度になると、『ほとんど動こうとしない』『安静時にも咳が出る』『突然パタンと倒れる』『呼吸困難』などが起こるのです。

酸素濃度の低下によって、唇や舌などの粘膜が紫色になるチアノーゼを起こすこともあります。

 

心臓犬の弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)の治療方法

心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)の治療は大きく二通りあります。

投薬治療と外科手術です。

投薬治療は心臓の肥大を抑える厨不整脈を改善する薬などを使用して、症状を緩和することを主な目的としています。

投薬治療は体にメスを入れることはありませんが、僧帽弁の修復はできず、根治することはありません。

一方の外科手術は僧帽弁を修復し、根治を目指します。

手術はうまくいけば健康な体を取り戻せますが、リスクゼロではありません。

愛犬の年齢や病気の進行状況などを踏まえながら治療の方針を選択していくことになります。

心臓病と聞くだけで、クラクラして頭が真っ白になるかもしれませんが、それでは状況は一向に改善することはありません。

この記事の内容程度の知識はまずは頭にいれて、獣医師としっかり治療方針について相談ができるようにすべきだと思います。

愛犬を救うのは他でもない飼い主であるあなた自身なのです。

これから投薬による治療と外科手術のメリット・デメリットをお伝えします。

 

犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)治療方法①: 投薬治療

 

心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)はこのようなステージに分けられています。

このステージ分類に基づいて投薬治療を行います。

 

犬の心臓病、弁膜症、僧帽弁閉鎖不全症、ステージ、投薬治療

 

【 エナラプリル、ベナゼプリルなど(アンジオテンシン変換酵素阻害薬、ACE阻害薬): 血管拡張薬 】
心臓が悪くなっていると診断された時に、最初に使用することの多い薬です。
血管をゆっくり拡張させて、血圧を下げることができます。

【 ピモベンダン: 強心薬 】
心臓の動きを盛んにさせるための強心薬です。
心臓を収縮させる筋肉に働き、心臓の動きを盛んにさせるための薬です。
一度飲み始めたら、ずっと飲み続けるように指示されることの多い薬です。

【 アムロジピンなど(カルシウム拮抗薬): 血管拡張薬 】
血管の壁は3層の膜でできています。
細胞の中のカルシウム濃度が上昇すると膜が収縮し、血管全体が細くなってしまいます。
血管が細くなれば血圧が上がるため、カルシウムが細胞の中に入ってこないように防御し、結果的に血圧を下げる薬です。

【 フロセミド・トラセミド: 利尿薬 】
腎臓の過剰な体液を取り除き、尿を出させる働きをします。
尿がたくさん出ると体の中の血液量が減り、血液量が減ると心臓への負担が軽減されます。

【 カルベジロールなど(β遮断薬): 不整脈治療薬 】
不整脈を抑える薬で交感神経を抑えて興奮しないよう自律神経に働きかけるβ遮断薬や、心臓の筋肉が収縮して血管が細くならないように、細胞が興奮するのをコントロールする薬などを使用します。

 

ステージごとに薬の組み合わせを替えながら、症状の緩和と病状の進行を抑えていきます。

投薬のし忘れは許されず、飼い主さんにとってはかなりのプレッシャーが掛かります。

それでも病状が急激に悪化するケースもあり、万能な治療方法であるとは言い難いようです。

高齢犬であれば投薬治療で寿命を少し伸ばせればよいと考える飼い主の方もいると思います。

投薬治療による完治はありません。

しかし、愛犬がまだ若い場合はどうでしょうか。

投薬治療にするか、外科手術にするか、最終的には飼い主さんの判断が求められます。

愛犬にとって、ベストな選択肢を選ぶためには獣医師の意見だけではなく、自らも知識を習得しておかねばなりません。

犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)の治療方法②: 外科手術

手術の内容

まだまだ犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)の手術は広く普及している状況ではありませんが、この記事の大元になっているJASMINE(動物総合医療センター/動物循環器病センター)で行われている手術方法をWebサイトから引用編集してご紹介します。

手術は左を向いた横臥位で行います。

まず後肢の動脈と静脈に血圧測定用カテーテルを留置します。

次に頸部の切開を行います。

ここには体外循環用のカニューレを挿入し、部分体外循環を開始します。

体外循環中は体温を25〜28℃に維持するようにします。

血液を固まりにくくするヘパリンという薬も注入します。

そのため、開胸するまでは血管を切らないように慎重に手術をすすめます。

出血した場合は、そのつど血管の損傷部を焼いて出血を止めながら進行します。

いよいよ胸部の切開です。

心膜を切開したあと、大動脈に心臓保護液を注入するためのカテーテルを挿入します。

保護液の注入が始まったら、心臓を停止させます。

心臓が停止したら左心房を切開し、僧帽弁の状態と腱索の断裂の有無を確認します。

弁のまわりが伸びてしまい、弁が薄く拡大していると血液逆流を起こすので、ゴアテックスの糸で弁の周りを連続縫合し巾着のように縫い縮めていきます。

これを僧帽弁輪縫縮術といいます。

弁を支えるための腱索が切れたり伸びたりしている所見も多くみられます。

切れているところ、伸びているところ、将来的に切れそうな部分をゴアテックスの糸を使い、乳頭筋から僧帽弁の弁先に向かって糸をかけ縛っていきます。

将来的に切れそうな腱索を慎重に判断しなければ、将来再手術になる可能性もあります。

心停止の時間は約90分。

心拍再開後、経食道心臓超音波検査で僧帽弁の逆流が軽減していることを確認し閉胸します。

閉胸後は体位を数回変え、血圧の安定を確認したら血圧測定用カテーテルを抜きます。

自発呼吸の再開が確認できたら覚醒させて酸素室へ移動させます。

ここまでが手術の内容です。

 

手術直後の生存率は驚異の99パーセント

JASMINEの実績であれば、術後直後の生存率は99パーセントだそうです。

手術終了から退院までは約一週間必要となり、その間に合併症で5パーセントが、その他の持病や体力などの兼ね合いで5パーセントが亡くなるそうです。

つまり、手術が終了して無事に退院できる可能性は90パーセントです。

筆者としては外科手術を検討するには十分すぎるくらいの高い生存率だと感じます。

上地院長は著書の中で、ステージCで手術を決断すべきと仰っています。

手術が成功して退院まで問題なく過ごせて、術後1ヵ月の過ごし方を誤らなければ、心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)が原因で命を落とす危険はないと断言されています。

筆者個人としては心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)は非常に完治性の高い病気だと思っています。

ただし、早期に発見して、獣医師と治療方針を十分に議論・確立できていることが条件です。

そのためには、獣医師任せではなく、飼い主が情報武装することが何よりも大切なことではないでしょうか。

 

犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症) 好発犬種について

 

心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)にかかりやすい犬種はこのような犬種だと言われています。

 

【 心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)にかかりやすい犬種 】

・ マルチーズ
・ ヨークシャー・テリア
・ シー・ズー
・ キャバリア
・ チワワ   など

 

小型犬ばかりですね。

小型犬だと大型犬や人間と比べても心臓の大きさも小さいため、手術は非常に高い技術が必要なことがお分かり頂けるでしょう。

 

犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)の予防方法

初期症状では判明しにくい犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)ですが、予防や早期発見につながるアクションがあります。

ここでは6つの方法についてお伝えします。

 

心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)のチェック方法①: 心雑音のチェック

愛犬を毎日抱っこしてあげることで、愛犬の『いつもの心臓の音』というものは飼い主さんにとって感覚的に分かると思います。

ある時愛犬を抱っこして心音を聞いてみると、何か異変を感じたら要注意です。

心雑音は、血液が正常に流れず逆流しているために聞こえる音です。

心臓の病気の種類によって心雑音の種類は異なりますが、心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)では高音の『シャー』という音が聞こえるようです。

 

心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)のチェック方法②: 心拍数を測る

成犬の1分間の心拍数は小型犬で60~80回、大型犬で40~50回が正常です。

子犬は成犬の倍になり、220以下であれば問題ないようです。

心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)は小型犬に発症しやすい病気であるため、心拍数が1分で80回を上回るようであれば気をつける必要があります。

心拍数の測り方として一般的なのは、左胸の心臓の位置に手のひらか指先を当てて、1分間に何回鼓動を感じるか数える方法です。

できるだけ安静時が望ましいので、しばらく抱っこをして落ち着いたところで計測しましょう。

1分間が難しければ15秒の脈を数え、4倍にしても結構です。

 

心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)のチェック方法③: 呼吸数を測る

心臓の状態が悪くなってくると、呼吸数が上昇します。

犬の呼吸数は小型犬で1分間に20回前後、大型犬では15回くらいです。

30回を超えると異常のサイン、40回を超えた時は危険水域のため、大至急かかりつけの動物病院、夜間であれば緊急対応してくれる動物病院へ連絡をして下さい。

呼吸はスーハーという呼吸音を1セットとして数えます。

音が聞こえにくい時は、胸が膨らむ回数で数えても構いません。

 

心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)のチェック方法④: 食欲の変化に注目する

犬も人間同様に体調が悪くなれば食欲が落ちます。

また偏食も特徴的です。

今まで好きだったものを急に食べなくなり、他のものを食べるようになります。

しかし1~2週間もすると他のものを欲しがるようになります。

体重の急激な減少などがある場合は特に注意が必要であり、かかりつけの獣医師に相談してみて下さい。

 

心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)のチェック方法⑤: 被毛や皮膚の状態を見る

心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)のような血液が十分に体内を巡らない病気になると、被毛がパサパサしてきます。

時に脱毛症状も見られ、お腹や背中の被毛が脱毛することが多いようです。

咳と脱毛の状態があれば心臓の状態は残念ながら悪化していると考えられます。

皮膚の状態は、くちびるや舌、歯茎などの粘膜を確認しましょう

粘膜が青白くなっている、紫色に見える状態であればチアノーゼになっている可能性があります。

血中の酸素量が極端に少なくなっている時にこの症状が見られます。

肺水腫を引き起こしている場合もあり、至急獣医師の元に連れて行かねばなりません。

 

心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)のチェック方法⑥: 散歩の様子を観察する

散歩に連れて行っても今までのように元気に歩かない、短時間で疲労が見られたり座り込むことが多くなれば心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)の可能性があります。

そうした場合は愛犬を無理矢理元気づけたりせず、散歩は抱っこして切り上げて動物病院に連れて行きましょう。

このような項目に当てはまる場合は、かかりつけの動物病院に連れて行き、相談して下さい。

 

犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)にかかる費用

 

犬の心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)にかかる費用は投薬のステージや期間、外科手術のケースによってまちまちです。

参考までにJASMINE(動物総合医療センター/動物循環器病センター)で外科手術を受けた場合の費用例をご紹介します。

 

【 外科手術の費用例 】

最初の検査: 7万円
手術費用:  143万円
入院費:   1週間で約40万円
定期検診:  1回6万円×4回=24万円

合計:    214万円

 

民間のペット保険に加入している場合は、契約内容に基づいて医療費用の一部補償を受けることができる場合があります。
この記事の最後に、ペット保険の加入を検討するための記事を紹介しています。
アイペット損害保険の一例として、内科治療を受けた場合の費用例も合わせてご紹介します。

 

【 内科治療の費用例 】

診察:     3,000円
入院(3日):   12,000円
検査:     14,000円
点滴:     6,000円
注射:     4,000円
処方:     3,000円

合計:     39,500円

 

上記の費用は1回の初期費用です。
投薬治療は一生続くものですから、治療にかかる費用は累積していくことになります。
投薬治療の場合も累積すれば相当な金額になるという話も聞きます。
費用見合いで投薬治療にするか、外科手術にするか、という選択の仕方はどうかと思いますが、愛犬がまだ若く手術に耐えられる可能性があるならば、当サイトとしては外科手術を是非検討して頂きたいと考えています。

 

JASMINEで手術を受けるためには

JASMINE(動物総合医療センター/動物循環器病センター)はこちらのリンク先にも記載がある通り、二次診療施設です。

つまり一次診療施設(かかりつけの動物病院など)からの紹介がないと、基本的には手術を受けることができません。

上記のリンクに紹介から手術までの流れが書いてありますので、興味のある方は確認してみて下さい。

また上地院長の著書も紹介しておきます。

 

院長の上地が2015年に「愛犬が「僧帽弁閉鎖不全症」と診断されたら読む本」を出版しました。僧帽弁閉鎖不全症の外科手術であ…

 

飼い主さん自身がしっかりとした情報収集を

 

今回は犬の心臓病の中でも一番症例の多い心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)についてご紹介しました。

愛犬が心臓病と診断されたときのショックは想像を絶すると思います。

しかし愛犬は心臓病だろうが、他の病気だろうが、命が尽きるその最後まで懸命に生きようとするのです。

わたしたち飼い主も落ち込んでばかりいては何も始まりません。

この病気は以前は投薬治療しか選択肢がなかったものの、現代の医療の進歩により、外科手術で完治を目指すことができます。

当サイトでは、外科手術で助かることができる可能性についてお伝えしました。

心臓病の治療は専門性も非常に高いため、かかりつけの獣医師さんがかならずしもこの分野のスペシャリストであるとは限りません。

愛犬が心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)と診断された場合、かかりつけの獣医師さんが経過観察やオプションとして投薬治療だけを具体的な説明なしに勧めてきたら、その根拠についてはしっかりと聞いた方がいいでしょう。

何度も言いますが投薬は延命で外科手術は完治が目指せます。

愛犬の状態や生活状況など、総合的な観点から獣医師さんとしっかりと意見交換しながら治療方針を決定するためには飼い主である皆さんがこの病気に関する知識を十分にインプットしておく必要があります。

最後の方は熱くなってしまいましたが、今回の記事のまとめはこちらです。

 

弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)の症状、治療費、予防方法、原因、手術

 

 

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