人間に対する卵や小麦、そばなどのアレルギーはよく知られていると思います。
実は犬にも『食物アレルギー』があることをご存じでしたでしょうか。
この記事では愛犬がやたらかゆがっている時に気が付いてあげたい『食物アレルギー』についてご紹介します。
前回の記事に続き、かゆみの出る場所や対処法についてお伝えします。
犬のかゆみが出やすい場所
上の図は犬のかゆみが出やすい代表的な場所です。
アレルギーの初期症状にはかゆみが多く見られます。
皮膚に赤みなどはないのにかゆがることもあり、かゆいのは数日間続くので掻いているうちに皮膚に炎症が起きたり脱毛したりすることもあります。
また、嘔吐や下痢の症状が出る犬もいます。
食物アレルギーが疑われたら、どんな検査を行う
食物アレルギーの診断を一つの検査で行うことは難しく、様々な検査方法を用いて原因を特定していくことになります。
問診
まずは問診を行います。
生活スタイルや食生活、症状など様々なことから皮膚のかゆみや嘔吐・下知の原因を探ります。
除外診断
アトピー性皮膚炎、外耳炎、膿皮症、疥癬など皮膚のかゆみを引き起こす病気、寄生虫や胃腸炎など下痢や嘔吐を起こす病気のように、食物アレルギーと似た症状が現れる病気を検査で否定していきます。
消去法の結果、食物アレルギーが原因の可能性が高いと診断します。
除去食試験
除去食試験は、おおよそのアレルゲンを知るための件さです。
一般的には今食べているフードやおやつ、デンタルガムなどを全て止め、アレルギー対応のフードに切り替えます。
2か月間そのフードを与え続け症状の経過を観察します。
かゆみもなく、症状が治まればそのフードの原材料は食べても大丈夫なものであると判断することができます。
アレルギー検査(血液検査)
病院で血液を採取して外部の検査機関で行う検査となります。
アレルゲンや体内でアレルギー反応が起きているかが分かります。
仮にアレルゲンが特定できたとしても、そのアレルゲンがかゆみの原因に直結していないケースもあるようです。
食物アレルギーの治療方法について
食物アレルギーが見つかった時の治療法ですが、アレルゲンの可能性がある食物を除いたご飯を与えることで治療していきます。
食物アレルギーのほかに病気がなれけば、食事を改善することで皮膚症状はよくなります。
検査で他の病気も一緒に見つかった場合はその病気も同時に治療していくことになります。
飼い主さんが心得ておきたいこと
食べ物を記録する
愛犬に何を食べさせているのかを把握するために、購入したフードやおやつのパッケージに表示されている原材料名を撮影して控えておきましょう。
与えた後にかゆみや嘔吐などの症状が出てしまったものを記録することで、どのような食べ物を避けたらよいか分かるようになってきます。
デンタルガムも要チェックしましょう。
デンタルガムはおやつというよりもケア用品という意識があるため、原材料のチェックを忘れがち。
犬のアレルゲンとなりやすい牛皮が使われていることも多いため、チェックしてみましょう。
拾い食いをさせない
飼い主さんがしらないうちに、愛犬がアレルゲンの食物を口にしないように注意しましょう。
散歩中はもちろんですが、家の中でも注意が必要です。
飼い主さんが食事中にうっかり床に落としてしまった食べ物を愛犬が食べてしまい、症状を引き起こすケースもあります。
新しい食べ物を与える時は一種類を少量から
アレルゲンが分かっていればタンパク質を含む新しい食べ物を与えてみてもいいでしょう。
初めて与える時は原因の特定がしやすいように一種類の食べ物を少量与えるとよいでしょう。
1日~2日経ってから症状が出るケースも多いので数日は愛犬の様子をよく観察するとよいです。
【 後編 】犬のかゆみと食物アレルギーとの関係
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