愛犬が夜鳴きを始めるようになった。
犬が夜に吠えることで悩んでいるという話はよく聞きますよね。
近所迷惑になって周囲とのお付き合いにも支障がでたり、トラブルにつながることもあります。
愛犬の夜鳴きを止めさせるためには、その『理由』を知ることが大切です。
この記事は犬の夜鳴きの理由と対策を詳しくご紹介します。
犬は吠える動物であることを心得ておく
まず飼い主としての心構えとして、犬は吠える動物であるという事を改めて理解しておくことが大切です。
今でこそ犬は人間と家族の絆で結ばれている関係ですが、昔は吠えることによって人間の生活をサポートするように品種改良されてきた歴史があります。
犬の祖先はオオカミですが、オオカミよりもより『吠える』という特長を引き出されています。
犬は普段と違ったことが起きたり、危険を察知すると吠えるという行動にでます。
この吠える行動がエスカレートすると、無駄吠えと言われる問題行動とみなされます。
しかし、犬が吠えるのには理由があります。
この理由を知り、少しでも吠えることにつながらないように環境を整えてあげることが大切になってきます。
特に老犬になると心身に不調が出るため、夜鳴きを完全に防止することは難しいと心得ましょう。
その上で飼い主も愛犬も快適に生活するためにはどうするかよいかという事を、考えていくべきです。
犬の吠え癖にも色々な種類があり、こちらの記事でその内容を紹介しています。
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犬が夜鳴きする理由① 寂しい・不安など犬の『気持ち』
夜鳴きをする犬は個体差や年齢などで千差万別ですが、代表的な夜鳴きの理由は犬の感情によるものです。
夜飼い主と離れることで不安や寂しいと感じた時に、思わず吠えてしまうことがあります。
特に子犬を引き取った直後は夜鳴きするケースが多いです。
母犬や兄弟犬と離れて環境が一気に変わったことによる不安から、夜鳴きすると言われています。
犬はもともと集団生活をしてきた歴史があるので、一人ぼっちになると不安を感じる子が多いようです。
夜鳴きの対策
このパターンの対策は愛犬を少しでも不安にさせない環境を準備してあげることです。
安心感を与えてあげることで夜鳴きがなおる可能性があります。
寝室を一緒にする
寝室を一緒にすることで、安心感が得られ夜鳴きがなおる可能性があります。
しかし一度寝室を同じにすると、再び分けることが(感情的に)難しいということは覚悟しておく必要があります。
寝床を整えてあげる
温かい毛布や湯たんぽなどで愛犬が快適に眠れる環境を用意してあげましょう。
犬によって好みはありますが、寝床はいつもきれいな状態を保ち、ふかふかの場所を用意してあげると熟睡することができるため夜鳴き防止になります。
ケージに布をかぶせ、視界をシャットダウンしてあげることで不安になる要素を減らすことも効果があるかもしれません。
テレビやラジオをつけっぱなしにしておく
無音が不安になる場合には、小さな音でテレビやラジオなどを付けておくことで夜鳴き防止につながることがあります。
犬が夜鳴きする理由②: 食事や運動などの生活環境
毎日が健康的な生活ができていないことがストレスになり、夜鳴きにつながることがあります。
犬を飼う上では当たり前の事ですが、適量のフードと新鮮なお水を与え、適度に運動ができ、トイレにも不自由しない環境を用意してあげることが大切です。
空腹を感じたり、排せつができずに苦しいと感じていると、それが夜鳴きにつながることがあります。
愛犬には清潔な環境で健康に日々を過ごせる環境を準備してあげましょう。
夜鳴きの対策
適量の食事を与える・食事の回数を増やす
体の大きさや年齢である程度のフードの目安はありますが、今一度適切な量を与えているか確認をしましょう。
適切な量を与えているのであれば、食事の回数を増やしてみたり、就寝の少し前にフードを与えてみましょう。
夜鳴きの抑制につながる可能性があります。
適量を与えていても愛犬にとっては十分でない場合があります。
空腹感から夜鳴きがなおらない場合は、かかりつけの動物病院に相談してみて下さい。
一つ注意が必要なことは、吠えたらいつでも食べ物がもらえると犬に覚えさせないことです。
吠えることで自分の希望が叶うと理解すると、『要求吠え』につながります。
要求吠えは別記事で詳しく紹介しています。
■ 犬の要求吠えはいつまで続く|7つの根本的なしつけ方法
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運動量を増やす
適度に散歩をさせることで、犬に心地よい疲労感を与えてあげましょう。
疲労感があるとぐっすりと眠ることができるため、必然的に夜鳴きの回数は減ります。
運動量の目安としては、超小型犬であれば1日1回、30分程度(2km)です。
中型犬であれば1日2回、1回30分程度、大型犬であれば1日2回、1回60分程度(4km)となります。
まずは1回30分程度の散歩をしてみて、運動量の目安を測ってみましょう。
散歩が終わって『ハッハッ』と適度に息切れしていれば、十分な運動ができた証拠です。
少し苦しそうにしていれば時間を短く、まだまだ元気であればもう少し時間を増やしてあげましょう。
犬種や個体差で必要な運動量は異なってきますので、愛犬にピッタリな運動量の目安を知ることが大切です。
知育玩具を与えてあげることも有効な手段です。
愛犬が集中できるもの、おやつなどのご褒美がもらえる仕組みを用意してあげることで、ストレス発散になり夜鳴き防止が期待できます。
引っ張りっこやボールなど、飼い主と一緒に遊べるようなおもちゃもオススメです。
愛犬とコミュニケーションを取ることと、運動量が確保できて一石二鳥な夜鳴き対策になるでしょう。
ハウスの見直し
ハウスが必要以上に大きいと、不安になることがあります。
愛犬のサイズによって適切なサイズに見直すことで、安心感につながり夜鳴きが減る可能性があります。
犬が夜鳴きする理由③: 発情期を迎えている
発情期のストレスや興奮から夜鳴きをする場合があります。
特に去勢していないオス犬は、発情期を迎えたメスのフェロモンに反応して遠吠えすることがあります。
夜鳴きの対策
根本的な対策としては避妊去勢手術を受けさせることです。
繁殖を考えているのであれば別の手立てが必要ですが、夜鳴きの有無に関わらず繁殖させないと決めているのであれば健康リスク上はやめに避妊去勢手術を受けさせましょう。
犬が夜鳴きする理由④: 老犬になり『認知症』が進んでいる
認知症による不安や昼夜逆転などが原因で夜鳴きが始まることがあります。
認知症は現在の医学では完治が難しく、それに伴う夜鳴きも完全になおすことは難しいということになります。
認知症を少しでも遅らせることや、愛犬の不安を解消したり健康状態が少しでも安定するような心掛けが必要です。
また、老犬になることで目や耳の機能が落ち、ストレス耐性も若い時よりも低くなることが原因で夜鳴きすることが考えられます。
こうした老化現象に伴う夜鳴きについては、対症療法的なアプローチで根気よく付き合っていくことが大切だと考えましょう。
夜鳴きの対策
認知症に適した食事を与える
認知症の進行を少しでも抑えるために抗酸化作用のあるフードやn-3系脂肪酸が豊富な食品を与えてみましょう。
DHA、EPA、イチョウなどの認知症に適していると言われるサプリメントを与えてみましょう。
日光浴や散歩、適度な刺激を与える
老犬の場合は体力面の問題もあるため、愛犬の体調を考慮しながら適度な散歩をさせてあげましょう。
散歩だけではなく、体内時計のバランスを整えるための日光浴もよいと言われています。
その他愛犬の体を触ってあげたり、肉球をマッサージしてあげることで適度の刺激と安心感を与えてあげて下さい。
夜鳴きのしつけというよりは、シニア犬とのゆったりとした日々を楽しむという目的ですね。
犬が夜鳴きする理由⑤: 病気やケガ
病気やケガが原因による体の不調、痛みやかゆみなどで苦しんでいるため夜鳴き(夜泣き)している可能性があります。
特に老犬になると寝たきりで体を動かすことが少ないため、寝返りを打ちたかったり、一方向だけに体重が掛かることによって体が痛くなって夜鳴きすることもあります。
普段から愛犬の体調には十分に気を配ってあげましょう。
夜鳴きの対策
日頃から愛犬とコミュニケーションを取ることが基本的な方法になります。
体を撫でたり触ったりすることで、愛犬の体の変化に気が付くことは結構あります。
皮膚の感触や骨のゆがみなど、体を触ることで分かる変化があります。
耳の裏や足の付け根、お尻など普段よく見えないところに何らかの疾患がある可能性があります。
日頃からコミュニケーションも含めてボディチェックをしてあげましょう。
異変に気が付いたらすぐにかかりつけの動物病院に連れていきましょう。
犬が夜鳴きする理由⑥: 音や気配
犬は音や気配に敏感な生き物です。
特に静かな場所に住んでいる場合は、ちょっとの音や気配でも敏感になり、夜鳴きの原因になることがあります。
こうした音や気配に対して不案な気持ちになったり、警戒心が生じることで夜鳴きにつながってしまうのです。
夜鳴きの対策
普段から生活環境に気を配ってあげましょう。
夜特定の音などに反応して夜鳴きを始める場合には、その音から遠ざけることが基本的な対処になります。
そうはいっても外部の音をシャットダウンすることは容易ではありません。
犬が音で警戒したり過度に不安にならないためには、同じ空間を一緒に過ごすことも一つの対策になります。
老犬に多い夜鳴き|夜鳴きが始まる理由としつけの方法 まとめ
夜鳴きの原因は何らかの不安やストレス、病気やケガなどの体の不調であることであることがお分かり頂けたでしょうか。
基本的な対策はこうした感情的・肉体的な問題を解消してあげることです。
認知症が問題になっているケースは動物病院とも相談しながら対策を考えることをオススメします。
これら全てに言える基本的な対策は、愛犬としっかりとコミュニケーションを取ることと健康な生活をさせてあげることです。
また夜鳴きさせないためには当たり前ですが、夜しっかりと眠れる(眠たくなる)ようにしてあげることが大切です。
疲れたら人も犬も眠たくなります。
そのためにはやはり適度な運動は欠かせません。
しっかりと散歩や運動をさせて適度な疲労感を与えることが、夜鳴き防止の近道と言えます。
今回の記事のまとめです。
・ 原因を知ることで適切な対処を行いましょう
・ 一番大切なことは、愛犬とのコミュニケーションと適度な運動です