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犬の熱中症対策 11選【 室内や車中の予防編 】

犬の熱中症は放っておくと大変危険なため、予防がとても大切です。

熱中症は屋外特有のものだと思われがちですが、意外にも室内で熱中症になるケースが一番多いのです。

初めにアクサダイレクトが実施した犬・猫の熱中症になった時の状況に関するアンケート結果をご紹介します。

 

引用:アクサダイレクト ホームページ

 

一目瞭然で、犬は室内で熱中症になるケースが一番多いことが分かります。

この記事では熱中症の症状を知り、予防するための室内での対策(車内での対策も)をご紹介します。

 

目次

熱中症について理解しましょう

 

熱中症は、気温や湿度の上昇により、体温調節に支障をきたすことで発症します。

体温調節ができなくなることで、体の温度がぐんぐん上昇してしまいます。

熱中症で体温が正常の範囲を超えて上昇すると、体温を調整する機能を持つ臓器が熱で壊れてしまいます。

また熱中症はじわじわ進む症状ではなく、数分で大きく進行しやすいため、回復には短時間での処置が必要になります。

また42℃を超えると命を失う危険性もある危険な病気です。

仮に命を失うことは免れたとしても後遺症が残ることもあります。

このように、熱中症は一般的な病気と思われていますが放っておくと非常に危険です。

 

数字でみる熱中症

熱中症は気温や体温が密接に関わるため、関連する数字を覚えておくだけでも予防にかなり役に立ちます。

以下に紹介する数値はおおよその目安ですが、覚えておくと大変便利です。

犬が快適に過ごせる室温&温度

まずは犬が室内で快適に過ごせる環境に関連した数字です。

エアコンの数字設定の目安として25と50という数字を覚えておきましょう。

 

 

犬が快適に過ごせる湿度は23℃~26℃、湿度は45%~60%の間であると言われています。

夏のエアコンの省エネ設定温度は28℃ですが、この温度設定は犬にはツラいということが分かります。

犬は被毛で全身が覆われているので、人間に比べ温度は低めでも大丈夫なようです。

また、湿度も50%くらいが適正だと言われています。

犬は人間のように汗をかいて体温を下げることができません。

舌を『ハッハッハッ』と出して、唾液が蒸発する時に温度を下げる機能(これを『パンティング』と言います)を利用して体温を下げます。

湿度が高いとパンティングで体温が下がりにくいため、熱中症の悪化につながるのです。

そのため、適切な気温だけではなく湿度も重要であることを理解しましょう。

室内は屋外に比べ湿度が上がりやすいため、特に湿度については注意が必要です。

 

熱中症になる体温について

犬の平熱は人間に比べて1℃~2℃高いため、熱中症と判断される体温も人間とは違います。

 

 

犬の平熱は37.5℃~39℃前後で大型犬よりも小型犬の方が平熱が高い傾向にあります。

犬の熱中症にかかっている可能性がある体温は40℃前後です。

40℃を超えると危険水域で、41℃になると臓器にも異変が見られかなり危険です。

42℃を超えると多臓器不全が進み、最悪死に至るケースもあります。

このため、愛犬の平熱はどのくらいか知っておくことが大切です。

また、肌感覚で愛犬の体温を手で覚えておきましょう。

 

熱中症の各ステージごとの症状

 

熱中症も初期段階から重篤な段階までステージがあります。

初期段階であれば、対処法を知っていれば病院につれていかずに回復させることが可能です。

中期段階の兆候があれば、即座に動物病院に連れていきましょう。

 

 

【 犬の熱中症 】初期段階

初期段階は体温もまだ30℃台ですが、体は体温を下げようと働きます。

パンティング(ハッハッハッと舌を出して息をする)が多くなり、よだれも増えます。

疲労感が見られたり、日陰を求めて落ち着きなく歩き回ることがあります。

 

【 主な症状 】

・浅くて速い呼吸が続く
・よだれが多くなる
・体が熱い
・落ち着きがなく歩き回る

 

【 犬の熱中症 】中期段階

中期段階ではさらに体温が上がり、40℃前後になります。

この状態になると、熱を発散させようと血流がさらに増加し、目や口などの粘膜も充血します。

嘔吐や下痢になることもあり、家庭での対処が難しい状態です。

すぐにかかりつけの動物病院に駆け込みましょう。

事前に熱中症であることを電話で伝えておくことで、病院到着後の処置が早くなり生存率が上がります。

病院への移動中は首や脇、股など太い血管が走っている部分に保冷剤などをあてましょう。

病院到着までに少しでも体温を下げることが重要です。

 

【 主な症状 】

・吐き気や嘔吐
・下痢
・ふらつき、運動失調、脱力
・体が震える
・目や口などの粘膜の充血
・けいれん
・発作
・意識を失う

 

【 犬の熱中症 】最終段階

もはや自律的に体温を下げることは不可能で、体から発される高熱で臓器が破壊されていきます。

42℃を超えると、かなり高い確率で死に至るケースもあり、この段階に入ることは絶対に避けなければいけません。

命を落とすことは回避できても、臓器に障害が残る可能性があります。

 

【 主な症状 】

・血便や血尿
・吐血
・動かない
・発作
・おしっこやウンチなどが流れ出てくる

 

【 室内編 】犬の熱中症対策について

犬の熱中症の危険性が分かったところで、これからは室内で具体的にできる犬の熱中症対策をご紹介致します。

 

犬の熱中症対策①  遮熱カーテンを閉めて直射日光を防ぐ

夏の時期は特に日差しが強いため、日中になる前から遮熱カーテンを閉めて室温の上昇を防ぎましょう。

ブラインドや遮熱機能がない普通のカーテンだと、日差しを遮ることはできても熱を防ぎきることができません。

そのため、カーテンは遮熱機能があるものを選び、室温の上昇を防ぐことが基本の対策になります。

また、窓の外によしずを設置して、外側から日光を遮るのも熱中症防止の対策として非常に有効な手段になります。

 

犬の熱中症対策② ケージ(ハウス)は窓から離れた場所に置く

遮熱カーテンで熱を遮ったとしても、窓の近くにケージを置くのは控えましょう。

基本的にケージは窓から離れた場所に設置することで、愛犬が日光に直接触れることを防止することが大切です。

 

犬の熱中症対策③ ケージ(ハウス)の上に凍らせたペットボトルを置く

日中ケージ(ハウス)の中で愛犬に留守番をお願いしている場合は、ケージ(ハウス)の上に凍らせたペットボトルを置いておくのも有効です。

ペットボトルから出る冷気が即冷却効果につながります。

ペットボトルはタオルなどで巻き、氷が解けるときの水滴が愛犬にかからにようにしてあげましょう。

 

犬の熱中症対策④ 新鮮な水が飲める場所を数か所用意する

 

留守番の間でも十分な水分補給ができるように、新鮮な水が飲める場所を数か所確保してあげるとよいでしょう。

また、特に暑いときは水の代わりに氷を与えてもOKです。

氷で水分補給と体温が下がる効果が見込めます。

ただし与えすぎると下痢になることもあるので注意が必要です。

大型犬であれば1日2~3個、小型犬であれば1日1個程度を目安にしてみて下さいね。

 

犬の熱中症対策⑦ 食事による対策

熱中症を間接的に防ぎ、体の健康増進にも効果を発揮する方法が食事による対策です。

肉でだしを取ったスープをドライフードに掛けたり、スープを氷にして与えると、食欲が減退している愛犬でも口にしてくれる可能性があります。

ドライフードに水を含ませたり、ウェットフードを与えることも、間接的な水分補給にもなります。

普段あまり水を飲まない子にもオススメの対策です。

 

犬の熱中症対策⑥ 冷却マットの活用

冷却マットは100円均一などでも手軽に入手できるようになりました。

この冷却マットを敷いて、愛犬の体温が上がらないようにしてあげましょう。

ただし、冷却マットの上に乗ってくれないとお悩みの飼い主のかたは、このやり方を試してみて下さい。

 

愛犬がいつも寝転がっている冷たい場所(フローリングなど)に冷却マットを敷いて様子を見る

 

冷却マットと併用で、凍ったペットボトルも室内に設置しても室温を下げる効果があります。

 

犬の熱中症対策⑦ エアコンのエアフロ―をうまく利用する

犬の熱中症対策でも手軽な方法であるエアコンの利用。

エアコンは電源の入り切りを繰り返したり、急激に冷やしたりすると電気代が高くなります。

一定の温度と風量で設定しておけば、常時スイッチをONにしておいても急激に電気代が上がる心配はありません。

エアコンの吹き出し口は愛犬に直接向けず、床に対して水平に設定しましょう。

そうすることで、室内がまんべんなく冷却され効率的に湿度が下がります。

また、湿気もたまりにくくなるので、湿度も必要以上に上がらず安心です。

 

【 注意 】

人感センサー付きのエアコンはペットに反応しないことがあります

 

人感センサー付きのエアコンを利用しているかたも多いと思いますが、ペットの大きさには反応しないことがあります。

そのため、センサー無しでエアフローは固定にしておいた方が無難です。

 

犬の熱中症対策⑧ 被毛を短くカットする

 

北欧犬などの寒冷地が原産の犬種、ダブルコートなど被毛の密度が高く長毛の犬種は、特に暑さに弱いと言えます。

夏の期間だけは被毛を短くカットしてあげることも、即効性はありませんが立派な熱中症対策になります。

 

特に危険な車中での熱中症対策

愛犬を連れていく必要があるのかよく考えましょう

夏の時期の車の中は超危険ゾーンです。

駐車してものの数分もしないうちに、車中の温度は急激に上がります。

ものの30分で50℃を超える温度になることもあるため、夏日の車での外出は愛犬を連れていく必要が本当にあるかまずはよく考えましょう。

ほんの少しでも愛犬を駐車した車中に置かないといけない可能性があれば、連れていくのをやめるべきです。

 

日陰・地下駐車場・窓を開ける でも車中留守番は【 NG 】

日陰や地下駐車場に駐車し、窓を開けておけば大丈夫と考える飼い主さんもいらっしゃるでしょう。

しかし、このような状況でも夏の気温上昇は侮れません。

窓を開けていても期待するような風通しがなく、温度・湿度ともに急激に上がる可能性があります。

また、愛犬が興奮して車中で吠えたり暴れたりすると途端に体温が上がり、あっという間に手の施しようがない状態になることもあります。

そのため、愛犬を一人で車中に留守番させる可能性がある外出は絶対に控えておくべきでしょう。

 

車内での熱中症対策① エアコンをつけてカーテンを閉める

夏の車中はエアコンをつけることが必須です。

また、日光による車中の温度上昇と、愛犬が直射日光を浴びないように車内にカーテンなどの日よけのアイテムを用意しましょう。

犬を入れるためのクレートは助手席の足元か後部座席に設置するとよいです。

くれぐれも犬がエアコンの直風に当たらないように配慮してあげて下さい。

 

車内での熱中症対策② クレートの中に凍らせたペットボトルを置いておく

室内の対策と同様ですが、ペットクレートの中に凍らせたペットボトルを設置してあげるもの有効です。

その際、ペットボトルはタオルなどでくるみ、愛犬に直接触れることがないようにしてあげましょう。

 

車内での熱中症対策③ こまめに水分補給をさせる

夏の外出は、いつでも水を飲ませてあげられるように飲み水を携行するように気をつけましょう。

車内でもこまめに水分補給させてあげることで、脱水症状を防ぎ適温を保つことができます。

 

犬の熱中症対策 11選【 室内や車中の予防編 】 まとめ

 

今回は犬の熱中症対策として、室内や車の中を想定した方法をお伝えしました。

熱中症は急になりやすく、また症状の悪化も早いので油断がなりません。

とはいえ、わたしたち飼い主が愛犬の健康状態をよく知り、少し気を付けてあげるだけで十分に予防ができます。

今回の記事のまとめです。

 

・室内対策は直射日光を避けること、冷却手段を確保することが大切です
・十分な水分補給がいつでもできる環境を整えましょう
・車中に一人で留守番させることはNGです

 

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