今回はキューピーがどのようにして我が家に迎えられたのかということについて書いてみたいと思います。
キューピーは少し変わった方法でうちに来ました。
親子、親友、ワンコとのパートナーシップ、どれもが『縁』という神様からの頂き物で成り立っていると感じています。
道産子(どさんこ)キューピー
キューピーさんは元々は、北海道生まれです。
北海道のとあるトイ・プードル専門のブリーダー舎で生を受けました。(2018年生まれ)
幸い生まれつきの病気や身体の不自由なところはなく、ブリーダーの元ですくすく育ちます。
生まれてから2カ月くらい経ったある日に、キューピーは初めての飼い主のところに引き取られることになりました。
その場所はなんと『東京』。
キューピーは道産子からトーキョーのレディになったのでした。
ワンコを迎える手段は本当にこの10年位で驚くほど増えましたよね。
野良ちゃんを引き取る以外の手段としては、ペットショップで購入するかブリーダーから引き取るという大きく2択だったと思います。
私の周りでは、地元のブリーダーから譲り受ける人が多かったですね。
特にこだわりやお気に入りの犬舎がある友人はわざわざ県外に出向いて引き取っていましたが・・・
最近はペットの譲渡もオンライン経由がかなり広まってきました。
キューピーはこのパターンで、とあるインターネットの譲渡サイト経由で東京に旅立つことになりました。
保護犬の譲渡サイトについては、別の記事で紹介する予定です。
キューピーは東京のお嬢に
キューピーが迎えられた家は、全国的にも有名な某高級住宅地のマンション。
一人暮らしの学生さんの家でした。
私の知るところであれば、ご実家が相当なお金持ちらしく、普通であれば何不自由ない生活を送れる可能性が高い家です。
人間の赤ちゃんもそうですが、ワンコも自分で一緒に生活する人や家を決めることはできません。
キューピーはそういう意味ではラッキーだったと思います。
東京の超一等地の安全な場所で、何も困ることがない人生を送ることができる予定でした。
暴れん坊キューピー
キューピーは体高23センチ、体重は2.5キロで『タイニープードル』に分類されます。
東京のお嬢様の家に無事引き取られたキューピーはそこでもすくすくと育ったようです。
元々の名前も、お嬢様っぽい名前でした。(今とは全然違う名前・・・)
トイ・プードルは元々元気で人懐っこい犬種ですが、キューピーはめちゃめちゃ元気だったようで・・・
育っていくにしたがってどんどん暴れん坊になっていったようです。
とにかく家の中を走り回ったり、飼い主に絡んでいったりと、一番初めの飼い主さんを大分驚かせたと聞きました。
もともとこちらの飼い主さん、ご実家にワンコがいたらしく、ワンコとの生活はしっかりと経験済みでした。
そうしたこともあってキューピーを迎え入れたらしいのですが、キューピーは彼女の予想を大きく超えるくらいの暴れっぷりだったらしく、少しずつ手に負えなくなっていったと聞きました。
キューピーを知るきっかけはとあるインターネットサイト
わたしたちがキューピーのことを知ったのはとあるインターネットのワンコの譲渡サイトでした。
ブリーダーやショップからの生体販売ではなく、保護犬の譲渡を目的としたサイトです。
その当時のわたしたちは、旅立った先住犬のペットロスから少しずつ前向きになりつつありました。
先住犬から教えてもらった経験を活かして、新しい命を保護したいという気持ちでインターネットの譲渡サイトを調査したり、休日は関東近郊の譲渡会に足を運んでいました。
かなり色々探していたのですが、ワンコと私たちのお互いのフィーリングが合わないと感じることが多く、中々縁に恵まれないと嘆いていた時期でもありました。
そんな時、とあるインターネットの譲渡サイトでキューピーの事を発見したのでした。
キューピーの写真を見た瞬間、
『なんてカワイイんだろう!』
すぐに面会の申し込みをしたのでした。
この写真がわたしたちが初めて見るキューピーでした。
キューピーの譲渡には100人以上が応募
キューピーの存在を知ったのは、キューピーが0歳5か月の時。
保護犬の受け入れを検討している人はご存知だと思いますが、こんなに若年の健康体で譲渡に出されることは非常に確立の低いことです。
保護犬の多くは、引退ブリーダー犬の年齢(4歳くらい)以上の成犬です。
4歳でもまだまだ若い方だと思います。
ですから、キューピーを受け入れたいという申込が殺到して、情報公開後すぐに100件程度の申し込みがあったようです。
わたしたちもプロフィールやワンコの飼育経験、飼育環境や飼育条件をすぐに提出しました。
結果、7組の候補者がキューピーと面会することになり、わたしたちもその1組でした。
この時、キューピーはなぜかウチの家族になるという確信めいたものがありました。
夫婦そろってそう感じていました。
そしていよいよキューピーとの面会の日が訪れます。
キューピーの新天地はいずこ?
面会当日は妻のみで伺うことになりました。
始めて面会したキューピーは、キャピキャピしていて、家の中を暴れまわっていました。
その時から、キューピーは人間好きで、短い時間でしたが妻によくなついたようです。
キューピーとの相性もよく、飼い主さんともしっかりコミュニケーションが取れたということで、キューピーはいよいよ我が家にやってくるのではという期待感でいっぱいでした。
そして面会から10日後、飼い主さんから連絡を頂きました。
『大変申し訳ないのですが、〇〇(キューピーの以前の名前)は別のご家庭にお譲りすることになりました』
そう、キューピーは関東在住の3人家族の家庭に無事引き取られることになったのです。
わたしたちの根拠のない自信は、こうしてあっさりと散ったのでした・・・
キューピーの幸せを願う
こうしてわたしたちの大きな大きな期待は叶うことなく、またいつもの日常が始まりました。
引き取られたご家庭はきっとステキな家庭だと感じていたので、キューピーは今度こそ幸せになってほしいねと彼女の幸せをひっそりと願っていました。
わたしたちの保護犬受け入れプロジェクトは、この件で大きくブレーキが掛かり、一旦ストップ状態になってしまいました。
それほどまでに、キューピーに特別なものを感じていたんですね・・・
しかし、キューピーが幸せであることが一番です。
お子さんもいる明るい家庭で新しい人生(犬生?)を再スタートできるのであれば、キューピーにとってはそれがベストなことだと思っていました。
ある日に突然の状況一変
キューピーの譲渡が決まってから5ヶ月後、もともとの飼い主の女性から妻に突然の連絡がありました。
『ご無沙汰しています。今でもまだワンちゃんの受け入れを検討されていますか?』
何事かと思いつつも、検討はしていますよと返信。
それから驚きの返信がきます。
『もしよければ、キューピーを引き取って頂けませんでしょうか?』
あまりに唐突な内容に時が止まる・・・
後で理由を知ったのですが、キューピーは無事に引き取られて新しい生活を始めたものの、引き取り先のご家庭のお子さんが犬アレルギーを発症してしまったとのこと。
アレルギーの問題で、キューピーと一緒に生活ができなくなったので、初めての飼い主さんに相談があったようです。
そういう経緯があり、わたしたちのところに連絡を頂いたのでした。
わたしたちは、もちろん喜んでキューピーを受け入れることにしたのです。
これまでの話を読んで頂いた皆さんはどう感じましたか?
キューピーの我が家に来るまでの経緯については、かなり柔和な表現で書いていますが、こうして文字にしてみても改めて思うところがあります。
何だか複雑で不憫な感情にもなりましたが、紆余曲折を経てわたしたちはキューピーと家族になることになったのです。
少し遠回りしてウチに来ることになりましたが、キューピーにとっては人生の大冒険ですね。
とても勇敢な子だと思っています。
ウチにきた初日のキューピー。
毛の手入れも全くされていません・・・
初めに見た写真とのギャップに『おっ!』となりました。
特にトイ・プードルはカットが必須の犬種ですからね。お手入れは大切です。
保護犬キューピーに安住の生活を
こうして、相当レアなケースでキューピーと家族になったわたしたち。
色々な行動やタイミングが重ならないと起こらないような奇跡が起こり、キューピーはわたしたちの家族として人生を再びスタートすることになりました。
これまでたくさんの不安な思いをしてきたと思います。
こんなに短期間で生活環境が激変するのは、やはり相当なストレスでしょう。
生まれてすぐに、果敢にもそうした環境にチャレンジしたキューピー。
彼女の勇気を称えて、今度こそ安住の生活を用意してあげたいと思っています。
ウチの子になってくれてありがとう。