犬の前庭疾患をご存じでしょうか。
何らかの原因で平衡感覚を保とうとする機能が働かなるために起こる病気です。
突然症状が現れることもある病気ですので、予め前兆や対処法を知っておくと飼い主さんとしても安心ではないでしょうか。
この記事では、犬の前庭疾患を様々な角度から解説していきます。
犬の前庭疾患とは
犬の前庭疾患は、ある日急に足取りがおぼつかずに立ち上がれなくなったり、首を傾けたままになる、眼球が揺れるなどといった症状が現れる病気です。
平衡感覚機能が何からの原因で失われることに伴って発生します。
耳の病気や脳疾患などが原因のケースもありますが、原因不明(突発性前庭疾患)と診断されることも多いです。
シニア犬での発生確率が高いとされます。突発性前庭疾患では積極的な治療ではなく、おおくの場合は経過観察により症状の改善をチェックします。
おおよそ数日~数週間で症状が治まるケースが多いとされます。
犬の前庭疾患の主な症状
犬の前庭疾患はこのような症状が多く見られます。
【 前庭疾患の症状 】
・ 目が揺れる
・ 首を傾けたままになる
・ よろよろして立ち上がれない
・ まっすぐ歩けない、ぐるぐる回り続ける
犬が前庭疾患になる原因
犬が前提疾患と判断される原因はいくつか挙げられますが、主に以下の原因となります。
犬の前庭疾患の原因①: 中耳炎・内耳炎
外耳炎が悪化して、細菌感染が耳の奥へ広がり中耳炎や内耳炎を起こします。
内耳の炎症により三半規管がうまく機能しなくなることによって引き起こされます。
犬の前庭疾患の原因②: 脳の炎症や腫瘍
脳炎や脳腫瘍、事故などで頭を打つといった外傷によって三半規管から繋がる前庭神経がダメージを受けることにより引き起こされます。
犬の前庭疾患の原因③: 原因不明
上記①でも②にも該当しなかったケースとなります。
実はこの原因不明と判断されるケースが最も多いようです。
犬の前庭疾患の治療について
治療の方法
治療の方法は、前庭疾患の原因になっている病気を治療することになります。
原因不明の場合は経過観察により症状の緩和を確認することになります。
吐き気や食欲不振などの症状が同時に表れた場合は対処療法にて対応します。
前庭疾患の完治について
突発性前庭疾患では多くの場合2、3日で症状は治まってきます。
ただ、一部の症状として首の傾きが残ったり、再発するケースもあります。
何度も再発する場合は、MRI検査で脳を検査することもあります。
中耳炎、内耳炎が原因と判断された場合は、当該病気そのものの予防に努めるようにして下さい。
前庭疾患と診断された時の日常で気を付けることは
前庭疾患を発症すると、突然介護が必要な状況になります。
ふらついてうまく立てないため、ご飯を食べる時、排泄の時などに体を支える必要があります。
うまく歩くことができずに転倒することもありますので、家具の角などにはクッションなどを設置することも考えましょう。
また、興奮すると症状が悪化する可能性もあるため、症状が現れている期間は特に安静に過ごすことを心掛けましょう。
【 犬の前庭疾患 】前兆や症状、治療方法など詳しく解説 まとめ
いかがでしたでしょうか。
原因不明と診断されることも多い病気ですので、経過観察が大切になります。
いずれにしても、愛犬の様子を日ごろからしっかりと観察し、違和感を感じたらすぐに症状を調べる、速やかにかかりつけの病院へ連れていくという対応が大切になるでしょう。
シニア期の犬に多い病気でもありますので、愛犬との毎日のコミュニケーションや体調を管理することがやはり重要です。
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