愛犬の無駄吠えが治らない。
無駄吠えを治すしつけの方法は色々と紹介されていますが、オンリーワンの方法はありません。
また無駄吠えを止めさせるためには、飼い主自身の心掛けがとても大切になります。
この記事では、犬の無駄吠えの原因とパターンをご紹介しています。
犬の無駄吠えに必要なしつけの方法と、飼い主自身が気を付けないといけないことについてもご紹介しいます。
無駄吠えの原因を愛犬だけのせいにせず、家族全員で無駄吠えを減らすために取り組んでいきましょう。
犬は吠えることが仕事(本能)
犬が吠えることは自然な事だという意識を持つことが大切です
犬は今でこそ人間と家族関係として位置づけられていますが、昔は狩猟・牧羊など人間の仕事をサポートする存在として共存してきた歴史があります。
犬の祖先はオオカミですが、犬はオオカミよりも吠える動物だと言われています。
それは、吠えるという特徴が人間にとって必要であった歴史もあり、吠える能力を強化されてきたためだと考えられています。
特に狩猟犬など危険を察知して人間に知らせたり、獲物を追い詰めたりする犬種には、吠える能力は欠かせません。
つまり、犬にとって吠えるという事は仕事であるといっても過言ではないのです。
そんな犬たちと共生するためには、まず【 犬は吠えることが当たり前 】であるという意識を私たち飼い主が持つことが必要です。
犬が吠えることに意味はあるのでしょうか
犬は理由なく吠えることはないと言われています。
多かれ少なかれ、犬が吠えるのには理由があります。
とはいえ、あまりにも過剰に吠え続けることは、近隣との生活環境も含めて快適だとは言えないでしょう。
愛犬が必要以上に吠えるのをやめさせることができれば、私たちはより生活がしやすくなるでしょう。
愛犬が無駄吠えをした途端に驚かせたり、他に意識を向けさせることで一時で気に吠えることを止めることはできるかもしれません。
しかしそれだけでは根本的な解決にはなりません。
愛犬が吠える理由をしっかりと理解して、何度もしつけを試行錯誤しながら無駄吠えを減らしていきましょう。
無駄吠えを愛犬のせいだけにせず、私たち飼い主も一緒に取り組むことが改善の近道となります。
愛犬が吠える理由
犬が吠えることには理由があります。
主な理由はこのようなものです。
吠える理由① 要求吠え
何かを要求するパターンです。
ご飯やおやつが食べたい、飼い主さんに遊んでほしい、など犬が何らかの要求をする場合に見られます。
吠える理由② 気を引きたい
自分の存在に注目してほしい、飼い主さんに構ってほしくて吠えるパターンです。
振り向いてくれないとうなりながら吠えることも。
寂しがり屋の犬に多く見られます。
吠える理由③ 寂しい(夜泣き)
夜泣きの時などに多く見られます。
寝るときにケージに入れられた時など、寂しくて飼い主さんにそばにいてほしいと吠えています。
新しく引き取られて環境が一気に変わった子犬などが、夜泣きすることが多いです。
吠える理由④ 警戒や縄張り意識
犬は基本的に縄張り意識が強い生き物です。
そのため、自分の縄張りに侵入してきたものに対して、強く吠えることがあります。
対象は人だけではなく、他の犬や物、音に対してであることもあります。
吠える理由⑤ 攻撃しようとしている
自分に対して攻撃してこようとするものに対して、先制攻撃しようとする気持ちの表れだと言われています。
このパターンも、相手に対して強く何度も吠え掛かります。
吠える理由⑥ 興奮している
犬にとって興奮するような出来事が起こると、威勢よく吠えまくります。
シニアになれば興奮する刺激に対する経験値も上がるため、少しは大人しくなるはずです。
吠える理由⑦ 退屈している
暇をもてあそんだり、退屈した時などに吠えます。
退屈しのぎに吠えていて、飼い主さんとの触れ合いを求めている場合があります。
犬が無駄吠えしてしまう理由は『社会化不足』
このように犬が吠える理由はさまざまです。
しかし無駄吠えと思われるくらいに過剰に吠えられるのは少し問題ですよね。
何度も制止しても過剰に吠えるのを止めないのは、子犬の頃の社会化不足が一つの原因と言われています。
無駄吠えとも言われる吠え癖を治すためには、愛犬を十分に社会化させることが必要です。
愛犬をしっかりと現在の生活環境に慣れさせること、家族と十分にコミュニケーションを取り、信頼関係を築いていきましょう。
その上で吠え癖の理由を把握して、個別にしつけをしていくことになります。
無駄吠えパターン① 夜鳴き(遠吠え)
吠える理由
しつけ方法
・ 寝る前にはハウスに布を掛ける
・ 寝室を同じ場所にする
しつけとしてやってはいけないこと
愛犬が吠えるたびに相手をしてあげたり、そばに近寄ったりすることはやめましょう。
犬は吠えれば飼い主が戻ってくると理解してしまい、夜鳴きを助長する原因になります。
また寝る前や外出時に過剰に構ってあげることも控えた方がよいでしょう。
構ってもらった後にイヤな事(飼い主さんが寝てしまう、留守にしてしまう)が起きると理解してしまい、夜鳴きや遠吠えを助長する原因になり、しつけがますます難しくなります。
無駄吠えパターン② インターホン・チャイムに吠える
吠える理由
犬は縄張り意識が非常に強い動物です。
家のインターホンやチャイム、時にはテレビで流れるチャイムの音にも反応し、激しく吠えたてます。
こうした音が鳴ることで飼い主さんが来客の応対をしたり、自分に構ってくれなくなったりと現在の状況が変化することに対する警戒心が原因で吠えている可能性があります。
こうした音が怖さにもつながることがあるため、音に対する印象をよくする対応が必要となります。
しつけ方法
・ 注意をそらす
しつけとしてやってはいけないこと
例えば玄関のチャイムが鳴ったとしても、飼い主さんが必要以上にバタバタしたり慌てないようにして下さい。
飼い主さんの慌てふためく姿を見ることで愛犬が興奮してしまい、ますます無駄吠えするようになります。
無駄吠えパターン③ 宅急便や来客に吠える
吠える理由
しつけ方法
・ 来客した人達からおやつを与えてもらう
しつけるための方法は人に慣れさせることで、できれば子犬の頃から色々な人に触れ合う環境が作れるとよいです。
色々なタイプの人に慣れることで、人間を必要以上に怖がらなければ無駄吠えする機会も減ります。
苦手な人とすれ違った場合などは、苦手な人が少し離れたところで『マテ』の合図を出します。
苦手な人が近づいてきて通り過ぎるまでアイコンタクトを続け、無駄吠えしなければおやつをあげてホメてあげましょう。
来客時には家に来たお客さんから、おやつをあげてもらったり遊んであげたりとコミュニケーションを取ってもらいましょう。
家に他人が来ることは怖いことではないという事を犬に覚えさせることで、無駄吠えの防止につながります。
無駄吠えパターン④ 犬に吠える
吠える理由
・ 興味がある
散歩中など他の犬に吠える場合は、相手の犬に対する苦手意識があったり、怖いと感じて吠えている可能性があります。
実は相手の犬に近づきたくて吠えている場合もあります。
この場合は吠えることさえしなければ、相手の犬とコミュニケーションが取れると覚えさせるとよいでしょう。
しつけ方法
子犬の頃に他の犬との接点がなく成犬になってしまうと、犬に対する警戒心が強くなることがあります。
子犬の頃に散歩や遊びなどで他の犬とも適度にコミュニケーションを取る機会を作ってあげると、社会性が身に付きやすくなります。
他の犬と会った時にはある程度距離を空けた状態で『マテ』させます。
マテで落ち着いたらアイコンタクトしてみましょう。
落ち着いた状態でそのままアイコンタクトできたら、さらに相手の犬との距離を詰めてみましょう。
その状態でも吠えずに落ち着いていられたら、相手の犬と挨拶させてみましょう。
挨拶させるときは真正面から対峙させず、少しななめのポジションで相手と合わせると興奮しにくいです。
『マテ』コマンドが聞かず興奮して無駄吠えしだしたら、抱っこしたりおやつで誘導して方向転換しましょう。
相手の犬と視線が合わないようにしてあげれば、興奮状態も収まり無駄吠えも止みます。
無駄吠えパターン⑤ おねだり吠え
吠える理由
しつけ方法
家族で食事中に無駄吠えを始めるケースもあります。
この場合は食事中はハウスに誘導し、おやつ入りのおもちゃを与えてカーテンなどを掛けてあげましょう。
家族が食事するのを見なくてよくなりますし、おもちゃに集中することで無駄吠えしなくなります。
無駄吠えパターン⑥ 救急車やパトカーのサイレンの音に吠える
吠える理由
しつけの方法
しつけ方法を統一することが大切なポイント
無駄吠えを治すためには、家族でしつけ方法を統一することが一番大切です。
家族でバラバラなしつけをしてしまうと、愛犬も混乱してしまい無駄吠えがますます助長されてしまいます。
事前にしっかりとルールを作っておいて、家族全員が見れるところにルールを貼っておきましょう。
無駄吠えを止めさせるためには、家族全員での取り組みなくして成功することはないでしょう。
犬の無駄吠えが治らない|しつけはまず飼い主から まとめ
犬は基本的に吠える動物です。
大切なのは全く吠えなくするのではなく、無駄吠えをさせないことです。
無駄吠えをする愛犬をしかるだけでは改善することはありません。
無駄吠えは甘えや不安、コミュニケーション不足など愛犬の飼い主の信頼関係が大きく関わってきます。
無駄吠えをするのは愛犬のせいだけではなく、飼い主さん自身にも原因があることを忘れないでおきたいですね。
まずはしっかりとコミュニケーションを取ってあげること、遊びや食事などを十分にさせることが大切です。
愛犬との毎日の生活を充実させることで、無駄吠えも減らすことができるでしょう。
今回のまとめです。
・ 飼い主自身にも無駄吠えの原因があると自覚しましょう
・ 十分なコミュニケーションと社会化がしつけのポイントです
・ 家族全員でしつけ方法を統一することも大切です