ペットロスとは、ペットを失ったことによる飼い主の悲しみのことを指します。
ペットロス症候群とも呼ばれ、心身に影響を及ぼすことがあります。
筆者自身も重度のペットロス経験者であり、愛犬を失った時の計り知れないほどの喪失感を今でも覚えています。
この記事ではペットロスを克服するヒントをお届けします。
ペットロスの主な症状
ペットは、人間にとって大切な家族の一員であり、長い時間を共に過ごしたペットが亡くなった時、家族が亡くなったのと同様に悲しみを感じることがあります。
この悲しみは、至って正常な反応です。
【 ペットロスの主な症状 】
悲しみが大きくなり涙が止まらなくなる
疲労感や無力感が続く
外に出る気力が起きず引きこもる
不眠や食欲不振を引き起こす
罪悪感を抱え込んでしまう
重症化の一因として、飼い主が罪悪感を抱え込んでしまうということがあります。
ペットの生前のことを思い出してしまい、自責の念に駆られてしまうこともあるかもしれません。
「生前もっとこうしてあげればよかった」など、ペットの治療のタイミングや亡くなってしまった原因について思い出し、後悔してしまいます。
しかし、臨終の間際だけでなく、それ以上に長い時間をペットと過ごしているはずです。
一緒にいて楽しかった出来事や、幸せだったことを思い出すようにしましょう。
準備ができていなかった
ペットの死が訪れるタイミングは、飼い主自身ではコントロールすることができず、心の準備が追いつかないものです。
ペットが病気や不慮の事故で急死してしまったという場合、心の準備をしていたつもりでも、深い悲しみに陥りやすくなります。
また、自身が仕事や人間関係、日常生活において辛いことがあった時期と、ペットの死が重なってしまった時に重症化しやすい傾向にあります。心の支えであったペットを失ってしまったことによる反動が来やすいタイミングでもあります。
相談できる人が周りにいない
ペットを亡くしてしまった際、周囲になかなか相談できる人がいなかったり、誰に相談して良いか分からない場合もあるでしょう。
また、飼い主とそうでない人の間で、悲しみの程度に違いがあるので周囲から精神面のサポートを得られない場合もあります。
この場合、自分自身だけで解決しようと、泣いたり、我慢したりという手段に走ってペットロスを重症化させてしまいがちです。
身の回りで相談相手を探そうとするのではなく、インターネット上で匿名の他者であっても、同じ境遇を経験したことのある人に相談したほうが精神的な支えになることもあるので、ぜひ諦めずに探してみてください。
ペットロスを克服するステップ
ペットとの関わり方は、飼い主との関係性の数だけ存在します。
それと同時にペットとの別れ方や立ち直り方も、人によって異なるものです。
感情のままに行動したり、気持ちを整理したりなど、さまざまな方法でペットロスを克服することができます。
ペットロスから立ち直れないときは、ご自身の状態を把握して、適切な克服の方法を見つけるようにしましょう。
自然に時間が流れるのを待つ
ペットが亡くなってしまったことで、悲しくなり、何も手につかなくなるのは当然のことです。
親戚や友人の死などと同様に、長い期間を共にしたペットであっても辛い出来事です。
家族の一員であったペットへの喪失感を、何らかの行動によって抑えるのは容易なことではありません。
無理をして別のことに取り組んだり、元気なふりをして感情を抑え込むことはおすすめしません。
気が済むまで泣いて、別れを惜しむこともペットロス克服の方法の1つです。
相談できる人を見つける
ペットを失うことによる苦痛や悲しみは、ペットを飼った経験がある人であれば、かならず通る道です。
ペットロスによる悩みを誰かに相談することは、最初のうちは抵抗感もあるかもしれません。
しかし、信頼のおける人や経験者に話すことで、苦痛や不安感の軽減につながります。
周囲に相談できる人が見つからない場合は、SNSやインターネットコミュニティ、ペット専門のカウンセリングなどを探してみてください。
前向きに受け入れる
ペットが亡くなったことによる喪失感は年月を経るとともに徐々に薄れていくこともあります。亡くなった直後は、後悔の念や悲しみでいっぱいだと思いますが、ペットと共にした時間は楽しい思い出のほうが多いはずです。
ペットと共有した幸せな時間は、今後もご自身の人生の糧となるはずです。
無理をしてペットロスを克服しようとする必要はありませんが、楽しかった思い出に想いを馳せて、ゆっくりと時間をかけて前向きな感情を取り戻していきましょう。
ペット葬を行う
人間の死においては、お葬式を行うことによって、その人が亡くなったという現実を受け入れて、自分の感情に一区切りをつけることがあります。
ペットの場合でも同様です。
最近では、ペットのお葬式を行う方も増えています。
葬儀を行うことによって、ペットとの思い出を振り返る時間ができ、感情の整理にもつながります。
どのような形で最後のお別れを迎えたいかを考え、しっかりとした形でペットの死を受け入れることによって、ご自身の気持ちも落ち着いていきます。
ペットとの思い出を整理・振り返る
ペットを長い間飼っていると、たくさんの思い出の品が見つかるはずです。
お気に入りのおもちゃや散歩に使っていた首輪、リード、洋服、写真など、さまざまなものがあるでしょう。
早く忘れた方が気持ちは楽になると考えて処分してしまうことはおすすめしません。
気持ちが落ち着くまでしばらくは手元に残し、思い出を振り返る時間を作りましょう。
その後、感情の整理ができたら、大事に保管するか、ペットと一緒に火葬してあげるかを考えましょう。
専門家のカウンセリングを受ける
飼い主であるからこそ、ペットを失ってしまったことによる悲しみは大きいものです。
当事者でない人に相談しても、悲しみを理解してもらえず、逆に傷つくようなこともあるかもしれません。
周囲に相談することが怖く、インターネット上で探すこともためらわれる方は、ペットカウンセラーなどの専門家に相談してみてください。
同じ経験をしてきた多くの相談者に寄り添ってきた専門家であれば、周囲に相談するのが難しい悩みも親身に聞いてくれ、アドバイスをしてくれます。
ペットロスは周りの協力が不可欠
近しい人がペットロスで悲しみや不安を感じているときは、その人の気持ちに寄り添ってあげてください。
ペットを失うことを経験したことがない人からすれば、戸惑ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、その悩みを打ち明けたということは信頼されている証拠でもあります。
ペットロスの人に対しては、話を聞いて、共感して、受け入れてあげることがとても大切です。
安易に新しいペットを飼うことをすすめたりなど、言ってはいけないこともあるので、アドバイスや意見は後回しにして、一緒に悲しむ時間を作ることが、相手への手助けとなります。
当事者である飼い主の悲しみと、自身の悲しみの間のギャップを埋めるように接することを意識してください。
新しいペットを迎える際に罪悪感は不要
ペットロスを解消する方法の1つとして、新しいペットを迎えるというのがあります。
ただし、この方法には、ペットロスを経験した飼い主が前のペットのことを忘れてしまわないかと不安になったり、罪悪感を感じるなどの点から、進んで取り組む方は多くありません。
しかし、不安や罪悪感を感じる必要はありません。新しいペットとの生活やしつけを通して前のペットのときはどうだったかを思い出すことで、前のペットの存在を感じることができ、偲ぶ機会も増えるでしょう。
一緒に過ごした時間を忘れないようにするという意識が大切です。
ただし、高齢の方などは、ペットより先に亡くなってしまうリスクがあります。飼育できる環境かどうかを見直してから、次のペットを迎えるか検討しましょう。
愛犬の死から立ち直れない:『ペットロス』悲しみを克服する方法
長い期間を一緒に過ごしたペットは家族の一員といえる存在です。
どんなに身構えて、心の準備をしていても、お別れしてしまった後の喪失感から立ち直るのは容易ではありません。
ずっと悲しみを抱いたままでいると心身に悪影響になってしまいます。
信頼できる人に相談したり、感情のままに泣いたり、しっかりとお葬式や遺品整理をしたりなど、できることはたくさんあるはずです。
次のステップに進むためにも、自分がどんな状態にあるかを把握し、時間をかけてでも克服できるようにしましょう。
ペットと過ごした幸せな時間を思い出し、整理することで、そのペットとの思い出がいつまでもあなたの胸の中に存在し続けます。
これからの人生のために、よい形でペットロスから抜け出す方法を探しましょう。