今回は犬の要求吠えの原因としつけの方法をご紹介します。
要求吠えを放っておくと、落ち着いて生活しにくくなるし、近隣住民とのトラブルにもつながります。
要求吠えのしつけ方法はいくつもあり、愛犬に合った方法を試行錯誤していくことが大切です。
要求吠えの原因を知り、要求吠えに応じない対処をすることで吠える頻度は減ってきます。
愛犬も飼い主もストレスにならないしつけの方法を身に付け、快適な生活を送りましょう。
- 1 犬が要求吠えする理由
- 2 成犬になると吠え癖は完全にはなおりません
- 3 要求吠えには無視が効果的なのか
- 4 犬の要求吠えをなおす基本的な考え方
- 5 要求吠えのなおしかた①: 十分に運動させること
- 6 要求吠えのなおしかた②: 上手に暇つぶしができる環境を用意する
- 7 要求吠えのなおしかた③: なるべく刺激を与えない環境を用意する
- 8 要求吠えのなおしかた④: 日々の生活をパターン化しない
- 9 要求吠えのなおしかた⑤: 『おすわり』コマンドを活用する
- 10 要求吠えのなおしかた⑥: 基本的な生活環境を整える
- 11 要求吠えのなおしかた⑦: ケージトレーニング
- 12 犬の要求吠えはいつまで続く|7つの根本的なしつけ方法 まとめ
犬が要求吠えする理由
犬は現代でこそ家族としての存在ですが、昔は人間の生活を助けるための存在として飼育されていました。
羊を追う牧羊犬や狩猟のサポートをする狩猟犬、家の安全を守るための番犬など、犬は人間に期待される役割から『吠える』ことが得意な動物に進化しているのです。
そのため、犬にとって吠えるという行動は欠かせない行動であり、むしろ吠えないことのほうが不自然であるとも言えます。
また、犬は何も理由なしに吠えることはないと言われています。
吠えるには何らかの理由があり、食事や散歩、構ってほしいなどの欲求をアピールするために吠えることを指して『要求吠え』と言います。
無駄吠えという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、人間にとって無駄と感じるから無駄吠えと言われていわれています。
懸命に吠えている犬にとっては何らかの理由があり、無駄なことではないのです。
成犬になると吠え癖は完全にはなおりません
子犬期に吠え癖のしつけがうまくできると、成犬になっても必要以上に吠えることは少なくなりますが、成犬になっても吠え癖のある子は完全にしつけでなおすことは難しいと考えておいた方がよいでしょう。
100パーセント完璧を目指すと飼い主も愛犬もしんどいので、過剰な吠えを徐々に減らしていく位の気持ちでしつけに取り組んでみましょう。
吠え癖がなおらないからといって、過度に叱ったり体罰や恐怖を与えるという事は絶対にやめて下さい。
当たり前の事ですが、しつけには犬との信頼関係が一番です。
犬にも個体差があり、トレーニングしてすぐに上達する子もいれば、じっくり覚える子もいます。
吠えることも個性ですから、すぐに結果を期待せずじっくりとコミュニケーションを取りながらしつけを行っていきましょう。
要求吠えには無視が効果的なのか
要求吠えには無視が効果的だという情報を見たことがあるかもしれません。
結論としては無視が有効な犬もいれば、そうでない犬もいるようです。
子犬の時期のトレーニングとしては効果がある程度見込めるかもしれませんが、成犬になって要求吠えを無視し続けてもエンドレスに吠え続ける犬もたくさんいます。
こうした犬の要求に応えて相手をしてしまうと、犬にとっては吠えることで自分の要求が通ったという『経験』をすることになります。
犬の習慣は『経験』によって形成されていきますので、結果として飼い主が無視し続けられなければ要求吠えは治らないことになります。
この記事では要求吠えに対して無視をすること以外の方法を中心にしつけ方法を紹介します。
犬の要求吠えをなおす基本的な考え方
要求吠えには原因があることを飼い主が理解する
要求吠えを止めさせるための基本的な心構えとして、私たち飼い主が要求吠えには何らかの理由があることを理解しておくことです。
犬は何も理由なく吠えることはありません。
吠えるということは何かの理由があり、その理由が解決されることで吠えることがなくなるのです。
犬の一方的な要求には応じない
とはいえ、犬の要求にばかり応じていると、何でも犬の言いなりになってしまいます。
愛犬も吠えれば願いが叶うと信じてしまうため、自分の要求が通らなければ通るまで吠え続けることになります。
ここのバランスを取ることが、無駄吠えに感じてしまうほど犬に要求吠えをさせないしつけの肝になります。
お腹が空いて吠えていても無視して食事を与えなければ、いつかは死んでしまいます。
愛犬が健康的に生活を送ることができるための適切な欲求を満たしてあげつつ、過度な要求をさせないためにはしつけが必要です。
犬に対してコミュニケーションを時間を取ること
人間の中には腹黒い欲求がある人もいますが、犬たちにそれはありません。
犬の欲求はシンプルで愛らしいものばかりです。
・ 散歩(運動)したい
・ お腹が空いた
・ 構ってほしい
・ ひまだ
・ 甘えさせてほしい
要求吠えのなおしかた①: 十分に運動させること
要求吠えの一つに、運動の欲求があります。
散歩をしたり走ったり、特に大型犬の場合はかなりの運動量が必要です。
こうした運動欲求を満たしたいために要求吠えすることがあります。
よくドッグトレーニングに連れていくと、運動不足が要求吠えの原因と言われることがあります。
愛犬にとって必要な運動量は、体の大きさや犬種によってもバラバラです。
犬種別の運動量の目安の散歩時間をご紹介します。
運動量の目安と測り方
超小型犬であれば1日1回、30分程度(2km)の運動量が目安です。
中型犬であれば1日2回、1回30分程度、大型犬であれば1日2回、1回60分程度(4km)となります。
まずは1回30分程度散歩をさせてみて、愛犬に必要な運動量を測ってみましょう。
散歩が終わって『ハッハッ』と適度に息切れしていれば、十分な運動ができた証拠です。
少し苦しそうにしていれば時間を短く、まだまだ元気であればもう少し時間を増やしてあげましょう。
運動はストレス発散、睡眠にも効果を発揮します
犬は体を動かすことが大好きな動物です。
日々の生活の中に体を動かすことを取り入れてあげましょう。
適度な運動はストレスの発散になります。
絶え間なく吠え続けることもエネルギーが必要なので、そのエネルギーを運動で発散させてあげましょう。
運動による疲労は快眠にもつながり、夜中に急に起き上がって吠えたてることも減らす効果が期待できます。
要求吠えのなおしかた②: 上手に暇つぶしができる環境を用意する
運動不足によるストレスなどが原因で要求吠えをすることもありますが、時間つぶしが下手な犬は暇を感じて吠えることもあります。
飼い主が留守の場合や、家にいても愛犬に構ってあげることができない時に構ってほしいと要求吠えするケースがあります。
愛犬を散歩に連れていくことができなくても、体を動かしたり何かに集中させることができれば要求吠えを減らすことができます。
コングや知育トイなどのおもちゃ、ボーンなどの硬いおやつを与えることで、愛犬の意識を集中させることができます。
集中している間は要求吠えすることはありません。
愛犬も四六時中寝ているわけではないので、こうして適度に一人でも楽しく時間つぶしができるものを与えることを検討してみて下さい。
散歩などの組合わせることで愛犬の生活も豊かになり、欲求が満たされることで過度な要求吠えを減らすことにつながります。
要求吠えのなおしかた③: なるべく刺激を与えない環境を用意する
生活の物音、家の外の音や人影などに反応して吠えることがあります。
こうした場合は愛犬をできるだけそうした刺激から遠ざけることで、吠えるのを防ぐことができます。
たとえばケージは窓付近に置かない、カーテンなどで外の景色を遮断する、発泡スチロールなどを使って防音する。
愛犬の目線に合わせて囲いを作ってあげるのも一つの方法です。
犬が反応的に吠えない環境を整えることで、吠える回数を減らすことが期待できます。
要求吠えのなおしかた④: 日々の生活をパターン化しない
起床してからご飯の時間、散歩の時間、おやつの時間など、愛犬は日々の生活のルーティンを体で覚えています。
ですから、もうすぐご飯の時間だな、散歩の時間だな、と感じるとイベントに先んじて要求吠えをはじめるのです。
要求吠えが始まり、ご飯をあげたり散歩に連れて行ったりすることで、吠えることで要求が通ると勘違いしてしまうことにつながります。
このパターンを崩してみましょう。
ご飯を用意してもすぐに与えない、散歩の準備をしてもすぐに連れて行かない、などして飼い主の行動パターンが犬の要求をすぐに満たすことがないようにしてみましょう。
吠えることと要求が叶うことはつながらないということを理解させましょう。
要求吠えのなおしかた⑤: 『おすわり』コマンドを活用する
普段から必要最低限のコマンドを教えておくことで、要求吠えのしつけにも応用することができます。
必要最低限のコマンドとは、『おすわり』『マテ』です。
これとアイコンタクトを組合せます。
『フォーマットトレーニング』とも言われることがあります。
フォーマットとは『初期化』の事です。
散歩や食事、おやつなど、犬にとってよいイベントが起きるときにこれらのコマンドで行動を静止します。
これを応用して、愛犬が要求吠えし始めた時に『おすわり』『マテ』のコマンドで吠えるのをやめさせましょう。
アイコンタクトを取りながらゆっくりクールダウンさせて。
うまくいけば、コマンドだけで要求吠えを減らすことができるかもしれません。
要求吠えのなおしかた⑥: 基本的な生活環境を整える
毎日の生活が快適に過ごせない場合も要求吠えすることがあります。
十分なご飯を与えていない、水の容器が空になっている、寝床やトイレが不衛生になっている、など毎日の生活が不快に感じないよう環境をしっかりと整えてあげましょう。
犬はきれい好きな動物です。
毎日清潔な環境で、十分な食事と清潔な飲み水、適度な運動をさせるなど、愛犬が快適に過ごすことのできる環境を整えてあげることで要求吠えが亡くなる可能性があります。
要求吠えのなおしかた⑦: ケージトレーニング
子犬の場合は特にケージに入れて飼育することが多いと思います。
ケージから出してほしいという要求吠えに困っている飼い主さんも多いでしょう。
ケージのトレーニングができると、ケージに入って移動すること、お留守番をすることなど愛犬が快適に過ごせることにつながります。
ケージの中に入ることでよいことや安心につながるということを覚えさせることで、一人での留守番や就寝などが格段に楽になります。
愛犬がまだ子犬であれば、ケージトレーニングはぜひチャレンジして頂きたいです。
犬の要求吠えはいつまで続く|7つの根本的なしつけ方法 まとめ
犬の要求吠えをやめさせるためには、要求の根本的な原因を知ることと適切なしつけを行うことです。
要求吠えは100パーセントなおすことよりも、減らしていくことを意識してしつけに取り組んでみましょう。
今回の記事のまとめです。
・ 要求吠えに対してやってはいけないことは、要求に応じてしまうこと
・ 適度な運動や遊びなど、愛犬に犬らしい生活を遅らせることが根本的な要求吠え対策になります
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