犬という動物は、哺乳類の中でも最も個体差がある動物だと言われています。
身体の大きさ、顔や体型の特徴、カラーや毛質なども犬種によってバラエティーに富んでいます。
そんな犬たちの中でも極めて美しいと称される犬種について、この記事でご紹介します。
美しい犬種7選_①: ボルゾイ
原産国: ロシア
サイズ: 大型犬、長毛種
オス(体高75~85cm、38~48kg)メス(68~78cm、35~45kg)
カラー: ブルー
ブラウン(チョコレート) 及びこの2色を除いたあらゆる組み合わせ特徴: 細長いマズルに流線型のスリムな体格、スラリと伸びた四肢に風になびく長毛
ボルゾイは14世紀頃からオオカミ等を追う猟犬としてロシア貴族に重宝されていました。
気品漂う優雅な佇まいゆえに、ショードッグとしても人気を博しています。
ボロゾイはロシア語で「俊敏」を意味します。
おだやかな風貌に反してじつは俊足で、その速さは時速50kmを超えるともいわれています。
普段は静かに時を過ごすが走る姿は美しく大胆で見るものすべてを魅了する美しい犬種の代表的存在です。
物静かで優しい性格なので、大型犬ですが家庭犬としても飼育できる犬です。
特徴的な長い四肢は、後ろ足で立ち上がると前足を大人の肩にかけられるほどあります。
また、狩猟犬のなかでも視覚を武器に狩りを行うサイトハウンドに分類され、かなり遠くまで見渡せる視野を持っているといわれます。
美しい犬種7選_②: ワイマラナー
DATA
原産国: ドイツ
サイズ: 大型犬、短毛種
オス(体高59~70cm、30~40kg)メス(55~65cm、25~35kg)
カラー: シルバーグレー
ノロジカ(やや赤みを帯びたグレー)
特徴: ベルベットを彷彿とさせる光沢のある滑らかな毛並みに筋肉質な体
ブルーグレーOR琥珀色の瞳にやや波打つ垂れ耳
ドイツのワイマールで秘密裏に誕生した貴族ご用達の猟犬です。
透き通るよう麗しい毛並み妖艶な光を放つ瞳の色から「灰色の妖精」の異名を持っています。
クールな容姿のわりに無邪気で主人に従順な気質が強いのがギャップです。
知的で忠実心が高いため信頼関係さえ築ければ有能なパートナーになることができるでしょう。
幼いころからほかの犬と触れ合わせ、積極的にトレーニングを行うと社会性が育ちます。
飼い主さんには従順で、もともと賢いので、しつけには困らないタイプでしょう。
美しい犬種7選_③: ヨークシャー・テリア
DATA
原産国: イギリス
サイズ: 小型犬、長毛種
オス(体高15~18cm、1.5~3.2kg)メス(体高15~18cm、1.5~3.2kg)
カラー: 子犬の時はブラック&タンで成犬になるとダーク・スチール・ブルー&タンなど
7回色が変わると言われています。
特徴: 絹糸のような繊細な長毛でピンとたった三角耳に黒々とした丸い瞳で高く伸びた尻尾
ヨークシャーとはイギリスのロンドンより北に位置する地方の名前です。
19世紀にはイギリスの重要な工業地帯としてとても栄えていました。
そんなヨークシャー地方でネズミ取りの犬として生まれたヨークシャー・テリアは、被毛の美しさから上流階級に見初められ「動く宝石」とまで称され愛玩犬に洗練されました。
毛色は成長が進むにつれ、よりつややかに変化していき「生涯で7回色が変わる」と言われる毛色の仕組みは未だに解明されていません。
19世紀に誕生したばかりの頃のヨーキーは、体重5kg前後と今よりも大きな体格でした。
愛玩犬として流通させるために小型化され、現在では体重1.5〜3kg程度と当時の半分ほどの大きさになっています。
体高も15〜18cm程度ととても小柄で、世界最小の犬種であるチワワに次ぐ小ささになります。
性格はテリアの要素をコク持ち合わせています。
賢く忠実ですが警戒心が強く、体のサイズからは想像がつかないほど勇敢な一面も持ち合わせています。
賢いので、子犬の頃にしっかりと社会化する必要があります。
飼育には飼い主さんの知識がある程度必要になる犬種ですので勉強しましょう。
美しい犬種7選_④: アイリッシュ・セター
DATA
原産国: アイルランド
サイズ: 大型犬、長毛種
オス(体高67cm前後、33kg前後)メス(体高62cm前後、28kg前後)
カラー: マホガニーレッド(赤褐色に近い栗赤色)
チェスナット(栗赤色)
リッチチェスナット(濃い栗赤色)など
特徴: マホガニーレッドの鮮やかな毛並みにスマートな体格、すらっと伸びた首に耳や胸、
足や尻尾に優雅な飾れ毛
優れた作業能力と美しいさを併せ持つ才色兼備の猟犬として有名です。
「マホガニーレッド」と呼ばれる艶やかな栗赤色の毛並みが気品を漂わせます。
エレガントな容姿に反して性格は陽気で楽天的、美しさと健康を保つため、充分な運動量の確保と丁寧な被毛の毛入れが必須です。
もともと猟犬だったアイリッシュ・セターは、賢く従順でエネルギーに溢れており、与えられた仕事を熱心にこなします。
愛情深い性格なので家族を喜ばせたり、家族と一緒に何かをしたりすることが大好きです。
大きい体をしていますが、とても甘えん坊な性格なのです。
ただし、賢い一方、ときには落ち着きがなかったり、いたずらをしたりして、家族を困らせることもあります。
子犬の頃からしっかりとしつけをすることが大切です。
美しい犬種7選_⑤: ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ
DATA
原産国: スイス
サイズ: 小型犬、短・長毛種
オス(体高60~66cm、30~40kg)メス(体高55~61cm、25~35kg)
カラー: 純白のみ
特徴: 純白の密集した毛並み
大きく立派な立ち耳に筋肉質な体つき太い垂れ尾
ジャーマンシェパードドッグを交配させる中で、毛の白いホワイトシェパードが生まれることがありました。
しかし、当初は毛の白いジャーマンシェパードドッグは認められておらず、殺処分されてしまうこともあったようです。
そこで、アメリカやカナダのブリーダーが白い毛のジャーマンシェパードドッグを改良し、温和で優しいホワイトシェパードを誕生させました。
これにより、ホワイトシェパードの人気が急増し、アメリカ、カナダ以外の国でも飼育されるようになったのです。
中でもスイスに渡ったホワイトシェパードはさらに改良され、ホワイト・スイス・シェパード・ドッグが誕生しました。
温厚な性格で番犬には適さないという人間の勝手な理由で排除されていた不遇の歴史を持っています。
ホワイトシェパードは、ジャーマンシェパードから派生した犬種ですが、攻撃性はほとんどなく、穏やかで優しい性格をしている子が多いのが特徴です。
非常に賢く、飼い主に対して忠実で、理想の家庭犬と言えます。
また高い訓練性能を備えているにも関わらず、攻撃性が低く温和で友好的な性格が堪りません。
美しい白毛ですが、汚れが目立ちやすく、皮膚も敏感な個体が多いゆえに繊細な手入れが必要となります。
美しい犬種7選_⑥: オーストラリアン・シェパード・ドッグ
DATA
原産国: アメリカ
サイズ: 中型犬、長毛種
オス(体高51~58cm、23~29kg)メス(体高46~53cm、14~20kg)
カラー: レッド
レッドマール(レッド系の大理石模様)
ブルーマール(グレー系の大理石模様)
ブラック
特徴: 直毛や巻毛が混ざったふわふわの被毛、前方に折れ曲がるローズ・イヤー
首周りを覆うゴージャスな被毛
骨太で筋肉質
その類まれな順応性で多岐分野で活躍する牧羊犬として有名です。
被毛の模様の入り方も多様なのが大きな特徴で、一つとして同じものはないと言われています。
性格はとてもフレンドリーです。
飼い主さん以外の人にも優しく接することができます。
温厚で優しく、飼い主にも忠実です。
活動的で遊び好き、保護本能に富み愛情深いので、家族としていっしょに暮らすのにも適しているでしょう。
「飼い主の望んでいることを第六感で察することができる」ともいわれ、主人から離れず家族に対して献身的な存在です。
広大な農場で羊の群れを扱うことに長けていただけあって、的確な判断力と疲れ知らずのスタミナ、いかなる天候のなかでも任務を遂行できるタフさがあります。
興奮性の強い性質の犬は、このタフさをもって興奮しますので注意が必要です。
美しい犬種7選_⑦: アフガン・ハウンド
DATA
原産国: アフガニスタン
サイズ: 大型犬、長毛種
オス(体高68~74cm、23~27kg)メス(体高63~69cm、23~27kg)
カラー: イエロー
ブラック
ゴールド など
特徴: しなやかな絹糸状の直毛にリングレール(輪のように巻いた尻尾)
美しい犬種と言えば必ず名前があがる「アフガン・ハウンド」。
世界一美しいと称される犬種として有名です。
気高く掲げた頭部、発達した広い足、古代書物にも記される原始的な狩猟犬の姿を色濃く残す犬とされ、主に実用犬として用いられてきた歴史があります。
一方でその優美な容姿から鑑賞的価値に重点が置かれ、ショードッグやモデル犬としても異彩を放ち世界の富裕層を中心に広く愛されています。
アフガン・ハウンドは穏やかな性格ですが、独立心旺盛で束縛や強制を嫌う一面もあります。
また、あまり感情を外に表しません。
室内ではおとなしくすごしますが、散歩などで小動物などを見つけると追い掛け回そうとすることがあります。
つまりはマイペースで頑固。自分の行動は自分で判断するというタイプ。
プライドが高い犬種なので、そうした気質を理解して、しつけをするときは根気よく行う必要があるでしょう。
運動量が多く、被毛のケアも必要なアフガン・ハウンドは、時間と経済的な猶予があり、尚且つ犬に深い愛情を頂ける飼い主さん向けの犬種と言えます。
運動欲求をしっかり満たしてあげ、美しい毛並みを保つための家庭でのケア、トリミングサロンにも頻繁に連れて行ってあげることが理想です。
被毛は毎日ケアをしていないともつれてフェルトのようになってしまいます。
しつけも辛抱強く行う必要がある犬種なので、上級者向きの犬種です。
人間を魅了する美しい犬種7選 まとめ
いかがでしたでしょうか。
美しい犬種はたくさん存在しますが、その中でも際立って美しいとされる犬種についてご紹介しました。
大型犬が多数ランクインしており、飼育のレベルはそれなりに求められる犬種ばかりですが、犬種選びの参考になれば幸いです。