犬のおかしな行動｜その隠された意味とは12選

犬は忠実で賢い動物ですが人間にとっては珍しく、おかしな行動をとることがあります。

しかしながらこれらの行動の裏にはきちんとした論理的な理由があるのです。

この記事では犬のおかしな行動と、その意味を説明します。

犬のおかしな行動①： 犬がベッドや床を掘る理由

犬の祖先であるオオカミは、葉っぱや土、松の葉などをひっかいて快適な寝床を作っていました。

床やベッドをひっかいたり掘ったりするのは、実は寝床を作ろうとしているのかもしれません。

またベッドを引っ掻くことは縄張り意識の表れでもあります。

犬は前足に分泌腺があり、寝具や引っ掻いたものに独特の匂いをつけます。

あなたにはボロボロの毛布にしか見えないかもしれませんが、愛犬には自分だけの空間が見えていて、その匂いがするのかもしれません。

犬はすでに自分のものだと感じている寝具の場所には、再び戻ってくる可能性が高くなります。

そのため新しいペットが家に来たときや愛犬のために新しいベッドを購入したときに、ベッドを引っ掻く行動が激しくなることが多いようです。

犬のおかしな行動②： 犬が散歩で棒をくわえる理由

犬が散歩中に棒を持ちたがるのは、物を回収したいという本能的な欲求によるものです。

狩猟動物である犬は、伝統的に獲物を回収して飼い主のもとに届けるように飼育されてきました。

この行動は数え切れないほどの世代を経て育まれたもので、今や犬のDNAに内在しているものです。

またお気に入りのおもちゃが外出先では手に入らないために棒を持ち歩くこともあります。

棒はどんな犬にとっても、旅をするときに取り入れたい最適なおもちゃになりえます。

犬が棒を持つもう一つの理由は噛める場所を探しているためです。

犬にとって棒は骨のように感じられ、噛むことで満足感を得ることができます。

歯茎の痛みを和らげたり、歯の痛みを和らげたりすることもできます。特に歯が生え始めた若い子犬に顕著です。

 犬のおかしな行動③： 犬が興奮したり従順なときにおしっこをする理由

従順尿や興奮尿をハウストレーニングの問題と勘違いしている飼い主さんが多いのですが、実はこれらは不随意行動の問題なのです。

飼い主が帰宅したときや友達が来たときなど興奮状態にあるときに、子犬は少量の尿を垂らしたり漏らしたりすることがあります。

これは嬉しくて興奮して、おしっこを漏らしてしまった！という意味なのです。

この行動は特に若くて元気な犬によく見られます。

興味深いことに犬は人や動物に従順な状態を伝えようとして排尿することもあります。

群れの中で犬は、リーダー犬にその役割を受け入れていることを示し、対立を避けるためにさまざまな方法をとっています。

その一つが尿を垂らすことです。

同様に犬が周囲や周囲の個体に対して恐怖やショック、不審、不安を感じている場合、自分が脅威ではないことを伝えるために、反応して尿を出すことがあります

 犬のおかしな行動④： 犬が肉球をなめる理由

犬は通常セルフグルーミングの一環として前足を舐めることがあります。

しかし愛犬があまりにも前足を舐めすぎたり、突然片方の前足だけを舐め始めたりする場合は前足をよく観察してみるとよいでしょう。

足の甲と底、爪の生え際、足の爪の状態を確認しましょう。

異物、あざ、切り傷、腫れ、出血、赤み、かさぶた、爪が折れていないか、その他異常がないかを確認します。

鋭利なものを踏んだり、熱い歩道を歩いたり、水ぶくれができたりして犬が肉球を刺激したのかもしれません。

また肉球を過剰に舐めるのは、食物アレルギーや寄生虫の感染が原因かもしれません。

犬のおかしな行動⑤： 犬がおもちゃを振る理由

犬の祖先であるオオカミは獲物を口にくわえて、それが絶命するまで左右に激しく揺さぶっていました。

早く始末すればするほど早く食事にありつけるというわけです。

あなたの犬がおもちゃを振るのはオオカミが小さな獲物を仕留めるために使う動作を真似たものです。

でも勘違いしないでください。

これはあなたの犬が攻撃的であることを意味するものではありません。

オオカミのルーツは狩猟ですが、ほとんどの犬は楽しいという理由でおもちゃを振っているのです。

鳥やげっ歯類（げっしるい：ネズミやリスなどの小動物）が手に入らない現代の飼い犬は、捕食の本質を楽しむためにその習性を残しているのです。

ゴールデンレトリバーがボールを取ってくるのもそのためです。

あなたのペットは祖先の肉食獣のように、ぬいぐるみを振り回さずにはいられないのです。

そして覚えておいてください。

犬は退屈や欲求不満からおもちゃを振ることもあります。

これは長時間一人にされたり、重度の分離不安のある犬によく見られることです。

犬のおかしな行動⑥： 犬が吐く理由

犬が吐くのは、単に不味いものを食べた、食べ過ぎた、早食いしたという理由が考えられます。

また食物アレルギーや食事の急激な変化、脂肪分やバターの多い食べ物の摂りすぎ、車に乗っての乗り物酔いなどでも吐くことがあります。

しかし嘔吐はもっと深刻な事態を示すこともあります。

あなたの愛犬が有毒な物質を飲み込んでしまったか、あるいは早急な治療が必要な状態に陥っている可能性があります。

たまにしか吐かない場合は心配ありませんが、頻繁に吐いたり、慢性的に吐いたりする場合はより深刻な状態のサインである可能性があります。

もしあなたの愛犬の嘔吐が一過性のものでないなら獣医の診察が必要です。

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犬のおかしな行動⑦： 犬がウンチをする前に円を描く理由

犬がウンチをする前に円を描くのにはいくつかの理由があります。

ウンチをする前にぐるぐる回ることで、草むらにヘビなどの外敵が隠れていないことを確認します。

トイレは誰にとっても無防備な状態ですが、犬がしゃがんでいると、外敵から身を守ることができません。

そのため犬はトイレをする前に何度か円を描きながら、何か危険なものがないかを確認します。

またテリトリーを示すために、排泄前に何周も歩き回ることがあります。

犬は前足に臭を出す臭腺を持っています。

犬が用を足す前に回転したり、芝生の上を歩き回ったりするのは実は他の犬へのメッセージを残すことにもなるのです。

犬が円を描く理由はもう一つあります。

研究者たちは犬が地球の南北軸に沿ってウンチをすることを好むことを発見しました。

排泄をする前にぐるぐる回ることで、あなたの犬はぴったりな南北の方角を見つけようとしているのです。

犬のおかしな行動⑧： 犬が互いの局部を舐め合う理由

犬は好奇心から物の匂いを嗅ぐだけでなく、物を味見したり舐めたりすることで、周囲の環境についてより深く知ることができます。

犬が他の犬の局部を舐めているのはその犬のことを知ろうとしているのです。

年齢、健康状態、性的な欲求、そして気分など、他の犬について知ることができます。

また、犬同士がお互いの局部を舐め合うことで、犬同士の衛生状態を良好に保つこともできます。

つまりグルーミングは愛情の証であり、2匹の犬が仲良く、お互いを気に入っていることを表しているのです。

またこの行動は相手の犬の局部だけに限定されるものではありません。犬は他の犬のあらゆる部位を舐めることができます。

この行為は一般的に犬の「ソーシャル・グルーミング」と呼ばれています。これは犬がオオカミの祖先から受け継いだ集団行動の一つだといわれています。

犬のおかしな行動⑨： 犬が目を開けたまま眠る理由

文字通り、中には目を半開きにして寝ている犬もいます。

しかしこれは間違いではありません。

犬が目を開けて寝ているとき、あなたが目にしているのは、眼球の表面ではなく第三のまぶたです。

犬には眠るときに眼球を覆う第三のまぶたがあります。

このピンク色の膜は目に入ったゴミやホコリを取り除き、眼球を湿らせています。

起きているときはこの膜は目尻の方に引っ込んでいますが、ときどき見えることがあります。

犬は自己防衛のために第三のまぶたを進化させたという説もあります。

起きているように見せかけて眠ることで、捕食者にまだ警戒していて身を守る態勢にあると思わせているのです。

犬のおかしな行動⑩：犬が人の股間の匂いを嗅ぐ理由

犬が人の股間を嗅ぐのは犬同士がお尻を嗅ぎ合うのと同じ理由です。

股間部にはアポクリン腺と呼ばれるある種の汗腺があり、社会的情報を伝達する化学物質を生成します。

この化学物質はフェロモンと呼ばれています。

フェロモンはその人の年齢、健康状態、性別、気分など、さまざまな情報を伝えてくれます。

犬が人の股間の匂いを嗅ぐのはその人についての情報を得ようとしているのです。

興味深いことに最近性交渉を持った人は、犬からこの種の注意を惹かれるようです。

また、月経中や排卵中の女性、あるいは最近出産した女性も、犬が股間の匂いを嗅ぐことがよくあります。

同様に、犬が他の犬のお尻を嗅ぐのは他の犬の情報を得ようとしているためです。

犬は臀部に分泌腺があり、他の犬に多くのことを伝える化学物質を放出します。

去勢をしていないオスの犬は特に、メスが妊娠しているか排卵しているかを知りたいため、仲間を探すときに熱心に匂いを嗅ぐことで知られています。

犬のおかしな行動⑪： 犬があなたや他の犬にお腹をさらす理由

犬のお腹を見せる行動は信頼と受容を示すことが多いようです。

愛犬がお腹を見せるのは、あなたのそばで安心している証拠であり、あなたがお腹に噛み付くことを恐れていない証拠だと言えます。

しかしお腹を見せる行動には、まったく別の意味もあります。

犬は対立を避けるためにこのような服従の姿勢をとることがあります。

野生では、犬の祖先であるオオカミは、自分が脅威ではないことを示すことで、社会的緊張を和らげるためにこの服従的な姿勢をとったと言われています。

犬がより優れた犬や人間にお腹を見せるときは、不安で、和平を示し、手加減を要求しているのかもしれません。

子犬のうちはこのなだめるような行動がよく見られます。

服従行動やなだめるような行動をしている犬を撫でると、犬がより神経質になる可能性があることを覚えておいてください。

これは犬の体の非常に無防備な部分を触っていることが原因です。

お腹を見せる行動が信頼やなだめているのかどうかを知るには、犬の体全体を見ましょう。

あなたの周りで安心している犬は、リラックスして尻尾を振りながら、ゆったりとした、くねくねした姿勢を見せます。

反対に、従順な行動を見せている犬は、しゃがんだり、固まったり、緊張したボディランゲージを見せます。

犬のおかしな行動⑫： 犬があなたの席を取る理由

席を立って戻ると、子犬があなたの席で丸くなっているのを見たことはありませんか。

犬があなたの席を奪うのはあなたが残した香りや温もりを楽しむためです。

またあなたの注意を引きたいときや、一緒に抱き合いたいときにもあなたの席に座ります。

犬は群れの精神を持っているので家族と一緒に暖かくして寝ることを楽しみます。

犬のおかしな行動｜その隠された意味とは12選 まとめ

いかがでしたでしょうか。

知れば知るほどに愛着が湧いてくる犬たちのおかしな行動。

行動の意味をしることで、あなたと愛犬の距離はもっと近づき、仲が深まること間違いなしでしょう。